月経カップはどんな仕組み?経血を受け止められる理由を解説

「月経カップってどうやって使うの?仕組みがよくわからなくて不安...」

見た目には留め具もなく、ただ挿入するだけのように見える月経カップ。
なぜ腟の中にとどまって、経血をしっかり受け止められるのか不安に思うのも当然です。

この記事では、月経カップの基本的な仕組みや、経血を受け止められる理由を解説します。

正しい装着方法や位置なども紹介するので、最後までお読みいただくと不安を減らして月経カップを使えるようになるでしょう。
月経カップに関する疑問を少しでも少なくして、月経カップデビューをしたい方は、ぜひ参考にしてください。

もくじ

月経カップの仕組み|経血が漏れない理由を解説

  • カップが腟壁に密着する
  • 経血は自然にカップへおさまる

月経カップにまつわるさまざまな仕組み

  • 月経カップをうんちのときに外さなくていい理由
  • 月経カップが奥に入りすぎる(子宮に入る)ことはない理由
  • 月経カップに溜まった経血が寝る時逆流しない理由

月経カップが抜ける・カップから経血が漏れるときに考えられること

  • 腟のなかでカップが開いていない
  • 経血量がカップの容量を超えている
  • カップの装着位置が浅い
  • カップのサイズが合っていない

月経カップの正しい装着方法と位置

  • 手洗いと準備
  • カップの折りたたみ方
  • 力を抜いてゆっくり装着
  • 位置確認

月経カップの仕組みに関するよくある質問

  • 奥に入りすぎないことはわかりましたが、腟から取り出せなくなることはありますか?
  • スポーツやアクティビティなどで激しく動いても月経カップが抜けることはないですか?

まとめ


月経カップの仕組み|経血が漏れない理由を解説

月経カップを正しくつけると、腟のなかでカップがしっかりフィットし、経血をしっかり受けとめられます。

ここでは、月経カップがどのようにして経血をためて、外に漏れないようになっているのか、その仕組みをくわしく解説します。

カップが腟壁に密着する

月経カップを腟に入れると、カップが自然に広がって腟の壁に密着します。
これは、濡れた吸盤をタイルに押しつけるとくっつくのと同じようなイメージです。
腟の内側はやわらかいため、カップがからだの形に合わせて密着し、動いてもずれにくくなります。

さらに、カップが開くことで腟内が真空に近い状態になります。
この状態を「陰圧(いんあつ)」とよび、この力によってカップがしっかり固定されて、簡単にはずれたり落ちたりしません。

そのため、スポーツやアクティビティなどでからだを動かしても外れる心配が少なく使えるのです。

経血は自然にカップへおさまる

月経中、経血は子宮から少しずつ出てきて、腟をとおってからだの外に流れます。
月経カップを正しくつけていれば、この経血が自然にカップの中にたまっていく仕組みです。

1周期の生理で出る経血の総量は、平均で20g~140gほどといわれています。[1]
月経カップの容量は約15ml〜30mlのものが多いため、経血の量が多すぎなければ長時間つけたままでも漏れの心配が少なく使用できます。

また、月経カップは外に出てきた経血をすぐに受け止めるため、経血が空気にふれにくく、においも気になりにくいという点がメリットです。

このように、月経カップを正しく装着できていれば、特別何もしなくても経血が漏れる心配も少なく、生理期間を快適に過ごせます。

月経カップにまつわるさまざまな仕組み

月経カップにまつわるさまざまな疑問について、からだの仕組みとあわせてくわしく説明します。
少しでも不安が少なく使えるように、正しい知識を身につけておきましょう。

月経カップをうんちのときに外さなくていい理由

女性のからだには、排便するための肛門と、月経カップを入れる腟があります。

この2つはまったく別の場所にあるので、排便しても月経カップにうんちが直接ついてしまうことはありません。

そのため、月経カップを装着したまま排便をすることができます。

ただし、便の通り道である大腸と腟は近くにあるため、排便をしようと踏ん張ったときや踏ん張ったことによって便が肛門におりてくるときに、月経カップが押されて出てきそうになる場合があります。

踏ん張ったときに月経カップが出てきそうな感触がある場合は、一度月経カップを取り出してから排便をして、再び月経カップを装着することをおすすめします。

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月経カップが奥に入りすぎる(子宮に入る)ことはない理由

腟の奥には「子宮頸部(しきゅうけいぶ)」という細い出口があります。
ここは子宮につながる部分で、直径はたったの2〜3mmほどしかありません。

一方、月経カップの直径は約40mmなので、物理的に子宮のなかに入ってしまうことはありえません。

ただし、月経カップに慣れていないうちは、取り出すときにカップの下にある「ステム(ひっぱる部分)」が見つけにくかったり、取り出しづらく感じたりすることがあります。

月経カップを取り出すときは、まず下腹部に「ふん!」と力を入れると、月経カップが腟の入口付近までおりてきます。
そのあと、下腹部の力を抜いてステムをつかみ、下腹部の力を抜いた状態でゆっくりとステムを引っ張り、月経カップを取り出すようにしてください。

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月経カップに溜まった経血が寝る時逆流しない理由

一度からだの外に出た経血が、からだのなかに逆流することはからだの構造上ほとんどありません。

そのため「寝ている間に逆流するのでは」と過度に心配しなくてもよいでしょう。

ただし、月経カップのサイズが合っていなかったり、正しく装着できていなかったりすると、カップから経血が漏れてしまうことがあります。

寝る前には、カップがしっかり開いているか、正しい位置にあるかを確認することが大切です。

あわせて読みたい:月経カップを寝る時に使うと逆流する?寝る時の漏れ予防策4つも紹介!

月経カップが抜ける・カップから経血が漏れるときに考えられること

月経カップが抜けるような感覚があったり、経血が漏れやすかったりする場合は、以下が考えられます。

  • 腟のなかでカップが開いていない

  • 経血量がカップの容量を超えている

  • カップの装着位置が浅い

  • カップのサイズが合っていない

あてはまりそうな原因があるか確かめ、正しい対処法をとりましょう。くわしく解説します。

腟のなかでカップが開いていない

月経カップが腟のなかでしっかり開いていないと、経血をためるという本来の役割を果たせず、経血が漏れやすくなります。

月経カップは使用前に折りたたんでから腟に入れてカップを開かせる必要があるため、慣れていないと開いたかどうか心配になる方も多いです。

心配な場合は、装着後に月経カップの底をつまんだり、月経カップのふちを指でたどって丸みを帯びているか確認したりすると感覚がつかみやすくなります。

経血量がカップの容量を超えている

経血量が多い方や、生理の2日目など量が増えるタイミングでは、月経カップの容量を超えてあふれてしまうことがあります。

とくに慣れていないうちは、自分の経血量や交換のタイミングがわかりにくいかもしれません。その場合は次のような対策がおすすめです。

  • 1〜2時間ごとにカップを外してみる

  • ナプキンと併用して漏れを防ぐ

自分の経血量に合ったカップサイズを選び、こまめに交換することが、快適に使うポイントです。

カップの装着位置が浅い

月経カップが抜けたり、漏れてしまったりする場合、装着位置が浅いことが原因の一つとして考えられます。そのサインとして、以下のような状態があげられます。

  • ステムが腟の外に出ている

  • 装着時に違和感がある

こうした兆候が見られた場合は、再度装着しなおしてみてください。

正しく装着できると、カップが腟壁に密着し安定した状態を保て、ステムが腟外に出ていたり、違和感を覚えたりすることもないでしょう。

それでも毎回抜ける、経血が漏れてしまう場合は、カップのサイズが合っていないか挿入方法に工夫が必要である場合が考えられます。

あわせて読みたい:月経カップは漏れる?漏れにくい装着方法とコツ、快適に過ごす方法

カップのサイズが合っていない

月経カップのサイズが小さすぎると、抜けやすかったり経血が漏れやすくなったりする原因となります。

はじめて月経カップを使用するときに「入らないかも」といった不安から、小さめのサイズを選ぶ方がいます。

しかし、自身の腟の形状にあっていなかったり経血量が多かったりすると、抜ける、短時間で経血が漏れるといったトラブルが起きやすくなるのです。

そのため、はじめて使う場合は挿入しやすさも鑑みて「細身で長めのMサイズ相当」の月経カップがおすすめです。

月経カップに使い慣れてきたら、経血量や使用感にあわせてサイズ変更することを検討してはいかがでしょうか。

月経カップの正しい装着方法と位置

月経カップの装着方法と理想的な位置について説明します。快適な使用に向けて、正しい知識を身につけましょう。

1.手洗いと準備

月経カップを使う前には、かならず石けんで手を洗いましょうこれは、腟内に雑菌が入るのを防ぐために重要なステップです。

とくに生理の始まりや終わり、あるいは久しぶりに月経カップを使うときには、煮沸消毒をおこなうことを忘れないようにしましょう。

使い慣れるまでは、万が一こぼれても掃除しやすいお風呂場で装着するのがおすすめです。

2.カップの折りたたみ方

月経カップは、腟に入れやすくするために折りたたんでから挿入します。

自分に合った折り方を見つけると、よりスムーズに装着できるため、いくつかの方法を試してみるとよいでしょう。

murmoの月経カップには、挿入しやすくするための「イージーライン」がついています。この設計を活かすには、以下のような折り方がおすすめです。

  • Cフォールド

  • イージー押し出し(パンチダウン)

  • 「の」の字巻き

  • ラビアフォールド

折りたたんだら、先端が上を向くように持つのがポイントです。

あわせて読みたい:月経カップの折り方5選!開きやすい・挿入しやすい方法を紹介

3.力を抜いてゆっくり装着

カップの準備が整ったら、ゆっくり腟に挿入します。緊張していると入りづらくなるので、深呼吸して力を抜きましょう。

はじめての方には、以下のような姿勢がおすすめです。

  • 中腰姿勢(少し腰を曲げて、膝を軽く曲げた状態)

  • 片足上げ姿勢(トイレやバスタブの縁に片足を乗せる状態)

  • しゃがみ姿勢(両足を開いて深くしゃがむ状態)

どの姿勢でも、両足を十分に開くと挿入しやすくなります。これはタンポンを入れるときと同じ感覚です。

4.位置確認

月経カップを挿入したら、正しく開いているか、腟内での位置を確認しましょう。
底の部分が丸くふくらみ、腟壁にしっかり密着していれば、うまく開いている証拠です。

もし底が平たかったり、形がゆがんでいたりする場合は、まだ完全に開いていない可能性があります。
そのときは、ステムを軽く回したり、上下に動かしたりしてみるとカップが自然に開きやすくなります。

装着したあとに違和感や痛みがある場合は、位置が合っていないかもしれません。少し位置を調整したり、もう一度挿入しなおしたりしてみましょう。

月経カップの仕組みに関するよくある質問

月経カップの仕組みに関する、よくある質問にお答えします。
より深く仕組みを理解できると、不安が少なく納得して使用できるでしょう。

奥に入りすぎないことはわかりましたが、腟から取り出せなくなることはありますか?

月経カップが腟の奥のほうに入っていると、ステムが滑ってつかみにくくなったり、ステムそのものを見失ったりして、なかなか取り出せないことがあります。

まずは落ち着いて、腟外に出すイメージでおなかに「ふん!」と力を入れてみてください。そのあとに腟まわりの力を抜いて取り出す動作を試してみましょう。

万が一取れない場合は、婦人科を受診すればすぐに対応してくれます。焦らず落ち着いて行動しましょう。

スポーツやアクティビティなどで激しく動いても月経カップが抜けることはないですか?

スポーツやアクティビティでも、カップが正しい位置に装着できていれば抜けることはほとんどありません。

もし、からだを動かしたときにカップが抜けてくる感覚がある場合は、挿入位置が浅い、カップのサイズがからだに合っていないなどの理由が考えられます。

あわせて読みたい:月経カップの使い方:どこまで入れればいいの?

まとめ

月経カップは、腟の壁に密着して腟内にとどまり、経血をためられる仕組みになっています。正しく使用できていれば、寝ている間やスポーツ時も経血漏れの心配が少なく済みます。

この記事を参考に月経カップを使用する注意点を理解し、不安のない月経カップデビューを果たしましょう。

はじめての月経カップには、murmoがおすすめです。初心者の方がつまずきやすい折りたたみも「イージーライン」があることで簡単におこなえます。

また、月経カップの安全な使用に欠かせない洗浄が手軽におこなえるクリーンポットもご用意していますこの機会にぜひご検討ください。

 

参考文献
[1]正常な生理(月経)の目安を教えてください!|日本産婦人科医会


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