ランニングは生理中におこなってもいい?気をつけるポイントも解説
「いつもどおり走りたいけど、生理中で具合悪くならないかな?」
「ランニングで血が漏れるかもと思うと、走ることに集中できない」
ランニングを習慣化している方は、このように悩んだ経験もあるのではないでしょうか。
結論からいうと、生理中に走ることそのものは問題ありません。
ただし、生理中ならではの体調変化や経血漏れに備えて、対策をとっておく必要があります。
この記事では、生理中にランニングするメリットや注意点、経血漏れの心配が少ない生理用品を解説します。
生理中でもランニングを続けてルーティンをくずしたくない方は、ぜひ参考にしてください。
もくじランニングは生理中でもOK 生理中のランニングは症状緩和の効果が期待できる ランニングを生理中におこなうときの注意点
生理中のランニングを快適におこなうポイント
生理中のランニングに関するよくある質問
まとめ |
ランニングは生理中でもOK
生理中でも、ランニングすることそのものは問題ありません。
生理中の運動については、本人の自由意思を尊重することが大切とされています。[1]
2010年に日本臨床スポーツ医学会が発表した「月経期間中のスポーツ活動に関する指針」によると、とくに運動を禁止する必要はないと明記されました。[1]
さらに「生理だから運動しない」と決めつけることの方が問題になり得るとも指摘されています。[1]
このように、生理を理由にランニングを避ける必要はありません。
ただし、生理中の運動は体調の変化が起きやすい状況です。体調を最優先し、無理のないペースで走りましょう。
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生理中のランニングは症状緩和の効果が期待できる
セントメアリーズ大学とFitrWomanが共同で行ったグローバル調査によると、普段から運動習慣のある女性の78%が、運動によって生理にともなう症状が軽減されたと報告しています。[2]
とくに、中強度の運動(会話ができる程度の息があがる運動)がもっとも効果的だと感じている女性が多い結果となりました。[2]
この調査では生理にともなう症状として、胃けいれんや気分の変化、疲労感などがあげられています。
運動がもたらす生理痛の軽減についてはさまざまな意見があるものの、生理痛を引き起こす原因と考えられているプロスタグランジン自体が低下するという研究は非常に少ないです。
そのため「生理痛がよくなるかも」と期待を込めてランニングをするのは、おすすめできません。
あくまでも「ランニングは生理の不快感を軽減できる一つの選択肢」としてとらえるようにしましょう。
ランニングを生理中におこなうときの注意点
生理中のランニングは、以下を念頭におこなうようにしましょう。
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貧血や腹痛などの体調変化が起こるおそれがある
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経血漏れやムレによる不快感を覚えやすい
一つずつ解説します。
貧血や腹痛などの体調変化が起こるおそれがある
生理中は、さまざまな原因で体調変化が起きやすい状態です。
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経血にともなう鉄分不足
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プロスタグランジンの増加による生理痛の増強
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エストロゲンの低下による疲労感
これらは生理にともなう自然な変化であり、症状の強さは個人差があります。
ランニング前に症状がなくても、ランニング中や走ったあとに出現する可能性はゼロではありません。
「なんだかいつもと違うな」と感じたら、休息を長めにとったり、走る距離を短くしたりして調整しましょう。
経血漏れやムレによる不快感を覚えやすい
ランニング中にナプキンを装着している場合、からだを動かすことで位置がずれて経血漏れが起こる可能性があります。
また、使用する生理用品に限らず汗によってデリケートゾーンがムレやすくなることから、デリケートゾーンのトラブルが起こることも考えられます。
これらが結果的に不快感につながり、ランニングに集中できなくなるかもしれません。
悩みの解消には、ずれや漏れ、ムレの起きにくい低刺激の生理用品を選ぶことが重要です。
生理中のランニングを快適におこなうポイント
生理中でも快適に走るために、おさえるべきポイントは以下のとおりです。
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自分の体調に合わせたペースで走る
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水分と栄養補給をしっかりする
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生理用品を工夫する
準備を万全にしておき、生理中のランニングを楽しみましょう。
自分の体調に合わせたペースで走る
生理中は体調が変化しやすいため、普段のランニングよりもゆったりとしたペースを意識してからだに変化がないか確認しながら走りましょう。
まずは短い距離、短時間でランニングをしてみて、体調変化が起きなければ追加で走ってみてもよいかもしれません。
水分と栄養補給をしっかりする
生理中は経血によって水分や鉄分が不足しやすく、ランニング中に限らず脱水や貧血を起こすリスクがあります。
運動による発汗によって脱水につながりやすくなるため、ランニング中はこまめに水分補給をおこないましょう。
鉄分やミネラルが豊富な食事の摂取を意識して、貧血対策をとっておくことも大切です。
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生理用品を工夫する
ナプキンに限らず、タンポンや月経カップ、吸水ショーツなどを組み合わせることで、経血漏れやムレが起こる不安を軽減できます。
たとえば月経カップの場合、月経カップを使用したことで「ムレを感じにくくなった」と答えた方がもっとも多いという結果が得られています。
「日中の漏れを心配せずに過ごせた」という方も多いことから、月経カップの使用はランニングで心配になりがちな経血漏れやムレの発生を防止してくれるかもしれません。
ただし、月経カップを使用するには、使い方のコツが必要です。
月経カップの使用に慣れるまでは、スポーツ用の吸水性が高いナプキンを活用するのもおすすめです。
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生理中のランニングに関するよくある質問
生理中のランニングに関して、よくある質問にお答えします。
より快適に走るための正しい知識を得ておきましょう。
生理中のランニングはしんどいですか?
鉄分の不足やホルモンバランスの変化によって、普段よりも疲れやすいと感じることがあります。
「ランニングをするか迷う、だけど運動したい」という場合は、ヨガやウォーキングなどに切り替えることもおすすめです。
ランニングで生理が早まるって本当ですか?
運動が生理周期に影響を与えるという意見もありますが、適度なランニングで極端に生理が早まるとは考えにくいです。
生理中の運動で出血量が増えることはありますか?
運動後に経血量が増えたように感じることがありますが、これは運動によって体内にとどまっていた経血の排出がうながされるためです。
実際の出血量の増加ではないため、過度に心配する必要はありません。
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まとめ
生理中のランニングは基本的に問題なく、適度な運動が症状の緩和につながる可能性があります。
ただし、貧血や腹痛などの体調変化、経血漏れやムレによる不快感には注意が必要です。
快適にランニングをするためには、無理のないペースで走る、水分と栄養をしっかり補給する、適切な生理用品を選ぶといった工夫が大切です。
体調に合わせて調整しながら、生理期間中のランニングを楽しみましょう。