フェムケアはなぜ必要?注目される3つの理由とメリットを紹介!

「フェムケアってよく聞くけど、実際なにをするの?」
「フェムケアするとどんなメリットがあるの?」
フェムケアは、生理やPMS、妊娠、更年期といった女性特有のからだと心の変化に寄り添い、快適な毎日をサポートするための製品やサービスの総称です。
最近では、デリケートゾーンのケアだけでなく、女性の生活をより心地よくするための新しい習慣として注目を浴びています。
この記事では、フェムケアが注目される理由と得られるメリット、正しいやり方までくわしく解説します。
いいなと思った方は、自分のからだと心をいたわるフェムケアを始めてみてはいかがでしょうか?
もくじフェムケアとは女性の健康やQOLを向上させるための製品やサポート
フェムケアが注目される3つの理由を解説
フェムケアで心もからだも変わる?4つのうれしい効果
フェムケアの基本!「デリケートゾーンケア」の正しいやり方
デリケートゾーンケアをおこなう際の注意点
まとめ |
フェムケアとは女性の健康やQOLを向上させるための製品やサポート
フェムケアとは、女性の心とからだの健康、そしてQOL(生活の質)を向上させるための製品やサービスの総称です。
フェムケアと聞くと、デリケートゾーンのケアを思い浮かべる方が多いでしょう。
しかし最近は、以下のような製品やサービスもフェムケアに含まれます。
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生理・妊娠・出産・更年期といったライフステージにまつわるケア
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デリケートゾーン専用の洗浄料や保湿アイテム
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月経カップや吸水ショーツといったサニタリーアイテム
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婦人科系のオンライン相談サービス
つまりフェムケアとは、女性のからだや性の悩みに寄り添い、支えてくれる商品やサービスを指します。
フェムケアが注目される3つの理由を解説
フェムケアが注目されている背景には、以下の3つがあります。
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女性の社会進出にともない健康意識が高まっているから
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女性特有の健康課題の与える影響が明らかになったから
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女性のからだはライフステージごとに変化しトラブルが起きやすいから
それぞれ理由を知ると、フェムケアの重要性がよりはっきりとわかります。くわしく見ていきましょう。
1.女性の社会進出にともない健康意識が高まっているから
社会で活躍する女性が増えるなか、フェムケアは女性の健康と快適さを支える手段として注目されています。
働く女性にとって、生理痛やPMS、更年期にともなう不調が仕事に影響を及ぼすことは少なくありません。
しかし、こうした不調への対応は「自分でなんとかするもの」として、十分なサポートが得られないままでした。
そこで注目され始めたのが、フェムケアです。
最近では専用ソープや吸水ショーツ、温活グッズなど、日常に取り入れやすいフェムケア製品が増えています。
こうしたアイテムが「不調は我慢するもの」という考え方を変え「きちんとケアすること」を後押ししています。
働く女性たちが自分らしく前向きに過ごすために、フェムケアは欠かせない存在となってます。
2.女性特有の健康課題の与える影響が明らかになったから
フェムケアは、女性特有の健康課題が社会に与える影響を軽減すると期待されています。
たとえば、体調不良による欠勤や更年期の不調での離職などが、日本の経済に影響を与えるといわれています。
経済産業省の調査によると、生理痛やPMSをはじめとした女性特有の健康課題による労働損失は、社会全体で約3.4兆円と推計されました。[1]
こうした現状を踏まえ、企業を中心にフェムケアを取り入れる動きが広がりつつあります。
女性一人ひとりが正しい知識をもち、自分に合ったケアを選ぶことは、不調によるパフォーマンス低下や離職を防ぎ、社会全体の生産性向上にもつながるでしょう。
3.女性のからだはライフステージごとに変化しトラブルが起きやすいから
フェムケアは、ライフステージごとに変化する女性のからだをやさしくサポートしてくれる存在として期待が高まっています。
女性のからだは、思春期から妊娠・出産・更年期、そして老年期に至るまで、ホルモンの影響を受けながら変化していきます。
その過程で、不調や悩みが生じやすいのが特徴です。
多くの女性が悩みがちなこととして、以下があげられます。
▽ライフステージ |
▽おもな悩み |
思春期(10代) |
・月経不順 ・生理痛 ・デリケートゾーンのにおい・ムレ |
性成熟期(20~30代) |
・PMS(月経前症候群) ・妊娠・出産による体調変化 |
更年期(40~50代) |
・更年期障害 ・腟の乾燥・かゆみ |
老年期(60代) |
・尿もれ ・骨盤底筋のゆるみ ・腟や外陰部の萎縮・違和感 |
このように、ライフステージごとに異なる悩みや不調に直面するなかで、自分のからだと丁寧に向き合い、必要に応じてケアの方法を見直すことが大切です。
フェムケアは、からだの変化を自然なものとして受け入れ、自分自身をいたわるための心強い味方といえるでしょう。
フェムケアで心もからだも変わる?4つのうれしい効果
フェムケアを日常に取り入れることで、からだのトラブルが軽減されるだけでなく、心や生活全体にもポジティブな変化が生まれます。
ここでは、フェムケアによって得られる4つの代表的な効果を紹介します。
フェムケアのメリットを知り、自分の心やからだと向き合う時間を作ってみてはいかがでしょうか?
においや黒ずみなどの悩みをケアできる
フェムケアは、デリケートゾーンのにおいや黒ずみといった悩みのケアにも役立ちます。
これらの悩みの背景には、ムレや摩擦、乾燥、過剰な洗浄など、日常生活のなかで無意識にくり返している習慣が関係していることが少なくありません。
そんなときは、正しい洗浄や保湿、デリケートゾーンに触れるアイテムの工夫など、フェムケアの基本を続けることで、においや黒ずみの軽減が期待できます。
デリケートゾーンのにおいや黒ずみの悩みは、誰かに相談しにくく、一人で抱えてしまいがちです。
人に見せづらい部分だからこそ、自分が心地よくいられるためのケアを大切にしましょう。
あわせて読みたい:生理の臭いを消す方法はある?ナプキン使用中の方ができる5つの対策を紹介
肌トラブルを防げる
フェムケアは、肌トラブルの予防や軽減に役立つといわれています。
たとえば、生理前や更年期に肌が敏感になる、乾燥しやすくなるといった変化は、ホルモンバランスのゆらぎによるものです。
丁寧な保湿や健やかな肌のための習慣を心がけることで、肌トラブルを軽減できます。
なかでもデリケートゾーンは、まぶたよりも皮膚が薄く敏感だともいわれています。
弱酸性・低刺激の専用ソープでやさしく洗浄し、必要な潤いを与える保湿ケアを取り入れることで、乾燥やをはじめとしたトラブル防止に役立つでしょう。
心もからだも快適に過ごせるようになる
フェムケアは「清潔に保てている」という安心感から、心身ともに快適な状態を保ちやすくなります。
デリケートゾーンのにおいをはじめとした不快感は、集中できなかったり気分が落ち込んだりといった心理的なストレスにつながります。
また、自分のからだと向き合う時間が増えることで、ちょっとした不調にも早く気づける点もメリットです。
適切なフェムケアを取り入れることで、日々のコンディションに振り回されず、自分らしく過ごせるようになるでしょう。
自己肯定感やQOLが高まる
フェムケアは「ちゃんと自分をケアできている」と自己肯定感の向上につながります。
目に見えない部分のケアだからこそ、自分自身が心地よくあることに意識が向くようになるためです。
また、においやムレなどの不快感が減ることで、仕事や学業への集中力が増し、恋愛や人間関係にも安心感や自信が持てるようになります。
こうした心身の余裕の積み重ねが、QOLを高めることにもつながるでしょう。
フェムケアは、からだの調子を整えるだけでなく「自分を大切にする気持ち」を育てるケアでもあります。
日々のなかで自分に少し手をかけることで、毎日をより心地よく過ごす習慣につながります。
フェムケアの基本!「デリケートゾーンケア」の正しいやり方
フェムケアの第一歩は、毎日できる「デリケートゾーンケア」から始めるのがおすすめです。
日常にフェムケアを取り入れて、自分のからだと向き合う時間をつくりましょう。
専用ソープでやさしく洗浄する
デリケートゾーンを清潔に保つには、専用のソープでやさしく洗うことが基本です。
通常のボディソープは洗浄力が強すぎて腟まわりの常在菌バランスを乱してしまい、トラブルを生む原因になる可能性があります。
以下を参考に、正しい方法で洗浄しましょう。
○デリケートゾーンの正しい洗い方○
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デリケートゾーンを洗う際は、35℃~37℃程度のぬるま湯を使用するのがポイントです。
お湯で洗うと必要な油分も洗い流してしまい、乾燥の原因になり得ます。
前から後ろへ向かって洗い、腟まで洗わないようにしてください。
専用の製品で保湿する
洗浄後のデリケートゾーンは、乾燥しやすく敏感な状態になっています。
保湿を怠ると、肌トラブルの原因につながるため、顔と同じように洗ったあとはしっかり保湿することが大切です。
デリケートゾーンの水分をタオルで優しく拭き取ったら、デリケートゾーン専用のローションやクリームを塗りましょう。
アンダーヘアを処理する
アンダーヘアを処理すると排泄後の汚れが溜まりにくくなるため、デリケートゾーンの清潔を保ちやすくなるともいわれています。
通気性もよくなり、汗や経血によるムレも軽減されます。
アンダーヘアの自己処理方法は、以下のとおりです。
○アンダーヘアの処理の仕方○
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ただし、自己処理は人によって肌トラブルがおきる可能性もあるため、肌の様子を見ながらおこないましょう。
通気性のよいサニタリーアイテムや下着を使用する
日々の下着選びや生理用品の選び方も、フェムケアで重要なポイントです。
通気性・吸湿性にすぐれた素材やアイテムを選ぶことで、デリケートゾーンのムレや摩擦を防げます。
たとえばショーツの場合、食い込みや締め付けが少なく、デリケートゾーンに触れる部分が綿やシルクなどの天然素材で作られているものがおすすめです。
空気を通しやすく湿気がこもりにくいため、肌への刺激をおさえながら快適に過ごせます。
生理中のムレが気になる方は、ナプキンだけでなくタンポンや月経カップといったアイテムを活用するのもおすすめです。
とくに月経カップは、腟の中に挿入するため、デリケートゾーンのムレを軽減できます。デリケートゾーンの快適さのためにも、日々のアイテムを見直してみましょう。
あわせて読みたい:月経カップのメリットとデメリット
デリケートゾーンケアをおこなう際の注意点
デリケートゾーンは正しい方法でケアをおこなわないと、かえってトラブルを引き起こす原因になることもあります。
正しいケアのポイントを押さえて、毎日をもっと快適に過ごしましょう。
強くこすらない
デリケートゾーンを清潔にしたいからといって、ゴシゴシこすってしまうのはNGです。
摩擦による刺激で、赤みや黒ずみの原因になる可能性があります。
しっかり泡立てたソープで、手のひらでなでるようにやさしく洗うのがポイントです。
タオルで拭くときも、押さえるように水分をとるだけで十分です。
肌へのダメージを最小限におさえることを意識しましょう。
腟まで洗わない
「デリケートゾーンのケア=腟まで洗う」と思っている方もいますが、腟には自浄作用があるため、基本的に洗浄の必要はありません。
むしろ中まで洗ってしまうと、腟の善玉菌(常在菌)まで洗い流してしまい、バランスが崩れてしまうおそれがあります。
洗うのはあくまで腟の外側の部分(外陰部)と肛門まわりのみにとどめましょう。
異常があるときは医師に相談する
かゆみやにおいが強い、おりものが普段と違うなどの症状がある場合は、セルフケアだけで対処しきれない可能性があります。
そのため、婦人科やレディースクリニックなどの受診をおすすめします。
フェムケアはあくまで予防のためのケアであり、治療ではありません。
少しでも「いつもと違うかも」と感じたり、ケアを続けても改善しなかったりしたときは、早めに受診しましょう。
まとめ
フェムケアは、女性のからだと心に寄り添う新しいセルフケアのかたちです。
デリケートゾーンのにおいや肌トラブルなどの多くは、正しいケアで予防・軽減につながります。
また、毎日の小さな習慣が、心の安定や自己肯定感の向上、QOLのアップにもつながります。
フェムケアは、ライフステージごとに変化する女性のからだの悩みをサポートする「自分を大切にする」セルフケアの一つです。
まずはすぐに取り入れられる、デリケートゾーンのケアや下着、アイテムの見直しから始めてみてはいかがでしょうか。