月経カップの使い捨て型ってどう?メリットとデメリットを解説
「月経カップのお手入れが面倒‥」
「旅行や外出先で洗えないのが気になる」
そんな悩みを抱えている方におすすめなのが、使い捨て型の月経カップです。
お手入れの手間が省ける便利なアイテムですが、デメリットもあります。
この記事では月経カップの使い捨て型と再利用型の特徴を比較しながら、衛生面や環境面、使い勝手についてくわしく解説します。
それぞれを使いわけて、最適な選択を見つけましょう。
もくじ月経カップの使い捨て型とは
月経カップの使い捨て型が向いている人
月経カップの使い捨て型に関するQ&A
まとめ |
月経カップの使い捨て型とは
月経カップの使い捨て型とは、従来の再利用可能な月経カップとは異なり、一度の使用で廃棄するものです。
衛生面や初心者でもはじめやすいため、近年注目されています。
特徴 |
再利用型 |
使い捨て型 |
素材 |
医療用シリコーン、TPE、天然ゴムなど |
医療用エストラマー |
使用回数 |
数ヶ月~数年使用可能 |
1回のみ |
価格 |
約3,000~6,000円 |
約500円 |
環境負荷 |
廃棄物が少ない |
廃棄物が多い |
再利用型は、経済的で環境負荷が少ない点がメリットです。
しかし公共の場や外出先での洗浄が難しいことや、初心者が使用に不安を感じるケースもあります。
一方、使い捨て型は、外出や旅行など特定のシーンで便利な選択肢です。
1回使ったら廃棄するシンプルな設計のため、お手入れの必要がなく気軽に試せます。
使い捨て型と再利用型、それぞれの特徴を理解しシーンに応じて使いわけることで、快適な月経期間が過ごせるでしょう。
月経カップの使い捨て型のメリット2つ
月経カップの使い捨て型には、以下の2つのメリットがあります。
- 手入れの手間が省ける
- 旅行や外出時に手軽に使える
性格や使うシーンによっては、使い捨て型のほうが便利な場合と、再利用型が適している場合があります。
まずは使い捨て型のメリットから見ていきましょう。
1.手入れの手間が省ける
月経カップの使い捨て型の最大のメリットは、手入れのわずらわしさがない点です。
使い捨て型の月経カップは、滅菌済みの状態でパッケージされており、使用前の煮沸消毒が必要ありません。
使用後は交換した月経カップが入っていたパッケージに入れて、サニタリーボックスへ入れて捨てるということが基本の廃棄方法です。
再利用型のように、使用後の洗浄や煮沸消毒などのメンテナンスも不要です。
2.旅行や外出時に手軽に使える
旅行や外出時には、とくに使い捨て型月経カップの利便性が際立ちます。
再利用型は、使用後にカップを洗浄する必要がありますが、外出先では環境が整わないこともあるでしょう。
公共の場で経血を洗い流す行為は、マナーや衛生面で不安がともないますよね。
その点、使い捨て型なら使用後そのまま廃棄できるため、洗浄や保管の手間がありません。
外出先での衛生面の不安は、使い捨て型で解消できると言えるでしょう。
月経カップの使い捨て型のデメリット4つ
月経カップの使い捨て型にはメリットがある一方で、デメリットもあります。
- コストがかかる
- 荷物が増える
- ゴミが増える
- 選択肢が少ない
使い捨て型のデメリットを把握しておかないと、思ったよりコストがかかったり使い勝手が悪く感じたりします。
デメリットを理解し、適切に使用できるようにしましょう。
1.コストがかかる
月経カップの使い捨て型は、一度きりで廃棄するため、使い続けると再利用型よりもコストが高くなります。
種類 |
1個の値段 |
使用可能期間 |
1年間のコスト |
使い捨て型 |
約500円 |
1回のみ |
約90,000円 |
再利用型 |
約3,000~6,000円 |
約3~5年※ |
約3,000~6,000円 |
※メーカーや素材による
再利用型は初期費用が高いものの、正しく手入れすればメーカーや素材によって数年間使い続けられます。
使い捨て型は、外出時や旅行など限定的なシーンで使うほうが経済的でしょう。
2.荷物が増える
月経カップの使い捨て型は、1回の使用ごとに交換するため、複数のスペアを持ち歩く必要があります。そのため、旅行や長時間の外出では荷物が増えがちです。
再利用型なら1つあれば済むため、荷物をコンパクトにまとめられます。
旅行や出張などの頻度が多い場合は、荷物の量からどちらが適しているか判断しましょう。
3.ゴミが増える
月経カップの使い捨て型は1回の使用で廃棄するため、ゴミの量が増えることは避けられません。
月経中に継続的に使用すると、立体的な形状であることからも、サニタリーボックスがすぐにいっぱいになる場合もあります。また、使い捨て月経カップは新しい生理用品のため、公共の場での廃棄の際には、配慮が必要になる可能性があります。
また、月経カップは分解がむずかしい天然ゴムやTPE、シリコーンで作られているため、環境負荷が大きい点が課題です。
できるだけゴミを減らすには、再利用型をメインで使用し、使い捨て型は最低限にとどめることをおすすめします。
4.選択肢が少ない
月経カップの使い捨て型は、商品のバリエーションが少ないのが現状です。
再利用型は、多くのメーカーが対応しており、さまざまなサイズや素材、形状などから選べます。しかし、使い捨て型は対応しているメーカーが少なく、選択肢がほとんどありません。
そのため、自分に合うサイズや形状が見つけにくく、使いづらいと感じる可能性もあるのを理解しておきましょう。
あわせて読みたい:月経カップのメリットとデメリット
月経カップの使い捨て型が向いている人
使い捨て型の月経カップが向いている人は、以下のとおりです。
- 旅行や外出が多い人
- 月経カップを試したい人
- カップのお手入れが面倒な人
- 再利用型月経カップの洗浄ができているか不安な人
自分に合ったアイテムを選ぶために、紹介するポイントを参考にしてください。
旅行や外出が多い人
月経カップの使い捨て型は、旅行や外出が多い人におすすめです。
再利用型は、使用後に洗浄の必要がありますが、旅行中や外出先では環境が整っていないことがあります。
その点、使い捨て型は洗浄不要で、使い終わったら捨てるだけなので便利です。
たとえば長時間のフライトや外回りの営業など、洗浄に手間がかけられない場面で活躍します。
旅行や外出が多い人には理想的なアイテムと言えるでしょう。
月経カップを試したい人
月経カップの使い捨て型は、はじめて月経カップを試してみたい人におすすめです。
使い捨て型は再利用型に比べて、低価格で手に入ります。
月経カップをはじめて使う場合は、以下のような不安がありますよね。
- 挿入や取り出しがうまくできるか
- 漏れや衛生面は大丈夫か
- 痛みや違和感はないか
使い捨て型なら、少ない費用で月経カップの使用感を気軽に試せます。
ただし使い捨て型は、再利用型よりも素材が硬い場合があり、洗浄や消毒の機会もないため、まったく同じ使用感ではない点は把握しておきましょう。
あわせて読みたい:月経カップの使い方
カップのお手入れが面倒な人
再利用型月経カップを使用していて、洗浄や消毒などのお手入れがわずらわしく感じている人には、使い捨て型がおすすめです。
再利用型の月経カップは、使用後の洗浄や定期的な消毒を怠ると衛生面のリスクが高まります。
使い捨て型は使用後に捨てるだけで済むため、忙しい日常でも手軽に利用できます。
とくにナプキンやタンポンに慣れていると、似た感覚で使える利便性が魅力です。ただし、お手入れに慣れてしまえば再利用型も簡単で、長期的にはローコストで環境にも優しい選択となる点も検討しましょう。
再利用型月経カップの洗浄ができているか不安な人
再利用型月経カップを使っていて、衛生面に不安を感じている人は、使い捨て型を検討するのもよいでしょう。
再利用型月経カップは、正しく手入れしないと細菌が増殖するリスクがあります。使い捨て月経カップであれば、毎回滅菌済みの新しいカップが使用できるため衛生面の不安を少なくします。
衛生的で手軽な使い捨て型は、手入れの負担を軽減しつつ安心感を提供するアイテムです。
月経カップの使い捨て型おすすめ利用シーン
使い捨て型月経カップは、継続的に使用するとコストや環境負荷が懸念されます。そのため、シーンにあわせて限定的に使用するのがおすすめです。
使い捨て型月経カップが適しているシーンをご紹介します。
旅行や外出
旅行や外出先での生理対策には、使い捨て月経カップが適している場合があります。
使い捨て型月経カップは、使用後すぐに捨てられるため、公共の場でカップを洗う必要がありません。そのため、公共の場でどうしてもカップを洗いたいという方には使い捨て型が適していると考えられます。
ただし、使い捨て型月経カップの廃棄には配慮が必要であるため、外出先で廃棄する方法や廃棄場所の環境を確認しておきましょう。
また、メーカーにもよりますが、月経カップは最大12時間挿入したままにしておけます。
そのため、ナプキンやタンポンより持ち歩く個数が少なく済み、荷物をコンパクトにできます。
とはいえ、使い捨てることには変わりないため数個のスペアは必要です。
荷物を極力増やしたくない人は、再利用型を検討しましょう。
災害時の備え
使い捨て型月経カップは、災害時の備えに最適です。
ナプキンやタンポンでは交換頻度が多くなりがちで、トイレが混雑し頻繁に使用できない状況も予想され、交換するのに苦労する可能性があります。
また、災害時には水の使用が制限されることが多く、洗浄が難しい状況でも対応できる生理用品が求められます。
こうしたときに便利なのが、使い捨て月経カップです。
メーカーにもよりますが、最長12時間使用できるため頻繁な交換を避けられます。洗浄が不要な点も大きな利点です。
ただし、災害時にはじめて使うのはおすすめできません。
使い捨て型の月経カップは再利用型の製品と比べて硬い場合があり、使いづらく感じる可能性があります。
非常時に備えて、普段から使い慣れておきましょう。
再利用型月経カップの予備
普段は再利用型月経カップをおもに使用していても、使い捨て型を予備として用意しておくのがおすすめです。
たとえば外出先や緊急時に再利用型の洗浄ができない場合や、カップの乾燥が不十分で今すぐ挿入できない場合に役立ちます。
普段使いでは再利用型が環境にも経済的にも優れているため、使い捨て型をバックに入れておくと、さまざまな状況に対応できるでしょう。
月経カップの使い捨て型に関するQ&A
月経カップの使い捨て型に関する、よくある質問に答えていきます。
月経カップの使い捨て型はドラッグストアで売ってる?
使い捨て型の月経カップを扱っているドラッグストアは、ほぼありません。
再利用型の月経カップは、持続可能な選択として注目を集めており、取り扱うメーカーや販売店が増えてきました。
一方、使い捨て型の月経カップは、市場規模が小さくオンラインストアでのみ取り扱っているのが現状です。
実物を手にとって購入を検討したい人は、ドラッグストアでも購入しやすい再利用型を検討しましょう。
月経カップと月経ディスクの違いは?
月経カップと月経ディスクは、どちらも腟に挿入するタイプの生理用品ですが、使用方法や装着場所に違いがあります。
項目 |
月経カップ |
月経ディスク |
挿入位置 |
腟口に近い場所 |
子宮頸部の下 |
形状 |
小さめ |
口が大きい |
月経カップは腟の入り口近くに挿入し、月経ディスクは腟内で子宮頸部の下で月経カップよりも奥に装着します。
月経ディスクは月経カップよりも装着の違和感が少ない特徴がありますが、月経カップよりも口が大きく、挿入に慣れが必要です。
どちらがよいか迷っている人は、一度装着感を試してみるとよいでしょう。
まとめ
使い捨て型月経カップは、洗浄や消毒の手間が省ける便利なアイテムです。
しかし継続的に使うと再利用型の何倍ものコストがかかります。
そのため、旅行や外出、災害時など、特定のシーンでの使用がおすすめです。
一方で、使い捨て型の月経カップはゴミの量が増えるため環境負荷が大きいデメリットもあります。
持続可能な選択としては、再利用型が最適です。
それぞれのメリット・デメリットを把握し、ライフスタイルや利用シーンに合わせて月経カップを選択しましょう。