大学生・大学院生でも月経カップは使える? murmo(マーモ)の月経カップを使った13人のモニター調査

murmo(マーモ)は、東洋大学と共同で、大学生・大学院生を対象とした生理の実態調査と月経カップのモニター調査を行いました。
本記事では、その中でも月経カップを連続3周期使用してもらったモニター調査について、調査を行った背景と、実際に見えてきた変化をまとめています。
この調査を企画した理由
月経は、初経から閉経まで、ほぼ毎月約40年続く付き合うものです。
一方で、生理用品の選択肢は、初経で自動的にナプキンを使って以降、その後の身体やライフスタイルの変化に合わせて他のものに変えていくことは、決して多くないように感じます。
月経カップも、そのひとつです。存在は知っていても、「難しそう」「自分にはまだ早いのではないか」と感じ、選択肢に入らないまま時間が過ぎていく人も少なくありません。
一方で、もし使えるようになれば、月経カップはその後の生理の過ごし方を大きく楽にする可能性があります。
そこで私たちは、「閉経まで長い時間を生理とともに過ごす世代にとって、月経カップは現実的な選択肢になり得るのか」を確かめたいと考えました。
それが、この調査を企画した出発点でした。
東洋大学との共同研究として行った背景と調査の枠組み
この取り組みは、東洋大学 国際共生社会研究センターおよび Toyo-Mew Project とmurmo(マーモ)による共同研究として行われました。
murmoが行ってきた生理に関する取り組みや、生理用品の選択肢についての問題意識を共有する中で、生理の実態調査と月経カップのモニター調査を組み合わせた形で本プロジェクトが企画されました。
調査では、大学生・大学院生を対象に、生理に対する意識や困りごとを把握するとともに、月経カップを実際の生活の中で使った場合に、どのような不安や変化が起きるのかを記録しています。
月経カップのモニター調査については、初回の印象だけで判断しないことを重視し、連続する3周期をモニター期間として設定しました。
この取り組みは、2025年12月に報告会で発表しました。この記事ではその要点をお伝えします。

「3周期」のモニター調査にした理由
月経カップは、慣れるまでに時間がかかる生理用品だと言われています。実際に装着や取り出しの感覚は、使いながら少しずつ理解していく必要があります。
murmo(マーモ)の開発前リサーチで、さまざまな方に生理に関するインタビューをした中では、過去に月経カップを試したものの、最初の1回でうまく使えず、 「自分には合わない」とあきらめたというお話を少なからずお聞きしました。
そこでmurmo(マーモ)は、「この最初でつまずきやすい部分を、どうにかできないか」
という問いから、月経カップの開発に向き合いました。
初めてでも使いやすいことにフォーカスし、形状や構造を一から見直してオリジナルで開発を行った結果、現在は日本国内で構造に関する特許も取得しています。
それでも、「作り手の想い」と「使えるかどうか」は別の話です。
だからこそ今回の調査では、初回の印象だけで判断するのではなく、月経カップが生活の中に定着していくまでのプロセスを見るため、モニター期間を連続する3周期に設定しました。
とくに大学生・大学院生世代は、これから先も長い期間、生理のある生活が続く世代です。
もしこの世代が使えるようになれば、その後の生理生活は長期にわたって楽になる可能性があります。

モニター調査の概要
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対象:募集時に大学生・大学院生だったモニター希望者 13名(18〜26歳)
実際にモニターをしたときには社会人1年目の方まで含まれています。 -
生理用品の使用経験はさまざま (タンポン未経験者・性交未経験者を含む)
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モニター期間:連続する生理3周期
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調査:
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各周期終了後のアンケート
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個別インタビュー(1周期後、3周期後)
実験的な使用ではなく、通学やアルバイトなど、それぞれの普段の生活の中で使用してもらいました。使い心地だけでなく、不安や戸惑い、変化も含めて記録しました。また、murmo(マーモ)で行っているLINEのユーザーサポートも使用できる環境で行いました。
※今回の調査条件下での結果です。
使う前に多かった不安やイメージ
使用前に多く聞かれたのは、次のような不安でした。
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腟に入れることへの抵抗感
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衛生面や洗浄への不安
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難しそう、失敗しそうというイメージ
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公共の場でどう扱えばいいのかわからない
これらは、知識不足というよりも、経験がないことからくる自然な不安だと感じられるものばかりです。
実際に使ってみてどうだったか(時間の経過)
1周期目
1周期目では、比較的スムーズに使えた人が多い一方で、
装着や位置の調整に戸惑う人もいました。
「開いているかわからない」
「違和感がある」
といった声もあり、試行錯誤の期間だったと言えます。
2〜3周期目
2周期目、3周期目になると、少しずつ変化が見られました。
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装着のコツがつかめる
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違和感が減る
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着脱にかかる時間が短くなる
「気づいたら、特に意識せず使えていた」そんな声も聞かれるようになりました。
結果:13人全員が使えるようになった

今回の調査では、使用を断念した人は1人もいませんでした。
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1周期目で使えるようになった人:11人
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2〜3周期目で使えるようになった人:2人
最初から完璧に使えたわけではなく、時間をかけて慣れていった人も含めた結果です。
※あくまで今回の調査条件下での結果です。
生活の中で感じた変化
使えるようになってからは、生理中の過ごし方に変化を感じた人が多くいました。
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生理中の不快感が減った
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就寝時の安心感が増した
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交換の頻度が減った
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外出や活動がしやすくなった
「生理だから仕方ない」と思っていたことが、少しずつ当たり前ではなくなっていく。そんな変化が見られました。
費用・ゴミ・身体感覚の変化
費用面やゴミの量についても、変化を感じた人が多くいました。
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使い捨て生理用品のゴミが減った
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長期的なコストを意識するようになった
また、経血の量や状態を把握しやすくなったことで、自分の身体への理解が深まったと感じる人もいました。一方で、経血を見ることへの抵抗感が変わらない人もおり、感じ方には個人差がありました。
それでも、課題はある
月経カップは万能ではありません。
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外出先での洗浄が大変に感じる場面
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すべての状況で使いやすいわけではないこと
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他の生理用品と併用している人が多いこと
今回のモニターでも、「すべて月経カップに置き換える」という使い方ではなく、状況に応じて使い分けている人もいました。
大学生世代にとっての「選択肢」として

モニター参加者の全員が、「大学生・大学院生の生活において、月経カップは役立つ選択肢になりうる」と回答しました。
さらに、モニター参加者全員が「今後も月経カップを使用したい」と回答しました。3周期のモニター期間を経たうえで、月経カップが「一度きりの体験」ではなく、今後の生活の中で使い続ける選択肢として捉えられたことがわかります。
まとめ
月経カップは、確かに使う前のハードルが高い生理用品です。とくに、出産や性交経験率、タンポンの使用率が比較的低い大学生・大学院生世代にとっては、そのハードルは他の世代よりも高く感じられるかもしれません。
それでも今回の調査では、そうしたハードルがあるとされる大学生・大学院生13人全員が、時間をかけながら月経カップを使えるようになりました。
これは、「誰にでも必ず合う」という意味ではありません。
けれど、「若いから使えない」「最初にうまくいかなかったから合わない」と決めつけてしまう必要はないということを示しています。
生理は、初経から閉経まで長く続きます。
長く続くからこそ、心地よく過ごすことを取り入れることは、意味のあることです。
そして月経カップは、そのための選択肢のひとつです。
大学生世代に限らず、「気になっているけれど迷っている」人にとっても、この記録が判断材料のひとつになれば幸いです。
生理に振り回されるのではなく、生理があっても、自分の生活を大切にできる人が増えていくこと。murmo(マーモ)は、そんな未来を目指してこれからも地道に進んでいきます。
最後までご一読いただき、ありがとうございました。
参考
※月経カップの使用感や使いやすさには個人差があります。年齢や身体の状態によっても感じ方が異なるため、無理のない範囲でご検討ください。
