わたしの生理

生理の状況や感じ方は、人それぞれ。表に出てきづらいデリケートでプライベートなことだからこそ、ひとりひとりの生理の経験、心の声に耳を傾けることで、自分を大切にするきっかけに。生理を通して半生を綴るインタビュー。

わたしの生理 Vol.038 - 無月経を「ラッキー」と思ったあの頃 多嚢胞性卵巣症候群の治療を経て 気づいた教育の大切さ

Mari 31歳 マーケター

初経:中学2年生(14歳)

現在の平均生理日数:7日

現在の平均生理周期:不定期(60日など)

現在使っているサニタリーグッズ:月経カップ(murmo)、オーガニックコットンナプキン、おりものシート


- 生理はどんな日ですか?

不快(お腹が痛い、臭い、ムレ)


- 生理と聞いて浮かぶイメージは?

女性が生きていく上で大事なこと


- ここから、生理を軸にご自身の半生をふりかえっていきたいと思います。初経はいつですか?どんな風に覚えていますか?

初経は14歳、中学2年生のときでした。小学1年から4年まではフィリピン、小学校5年からは香港に移り、現地の日本人学校、中学はインターナショナルスクールに通いました。

ただ、どちらの学校でも生理について学んだ記憶がありません。日本人学校でも保健体育で詳しく教わることはなく、インターナショナルスクールでも同じでした。友達同士で生理の話をすることもなく、自分にはまだ関係ないものだと思っていました。

そんななかで迎えた初経は、ある日ショーツに血がついているのを見て「あ、自分にも生理が来たんだ」と気づいたのが始まりでした。母から「女性には生理がある」とは聞いていたものの、ナプキンの種類や使い方、経血量のことなど具体的な知識はなく、ただ母が使っているのを見て「そういうものがあるんだ」と思っていた程度でした。

初経はごく少量で、その後は全く来なくなってしまいました。当時は、生理が止まっている無月経の状態を気を付けるべきことだと知らなかったので、むしろ「来なくて楽ちん」「プールや運動ができてラッキー」と思って過ごしていました。


- 高校生のころはどう過ごしていましたか?

中学3年生で日本に帰国し、高校生になった頃に親に初経以降生理がきていないことを伝えたところ、「それはまずい。何でもっと早く相談しなかったの?婦人科に行ってもらいなさい。」と言われ、初めて婦人科を受診しました。診断は「多嚢胞性卵巣症候群」。卵巣に小さな卵胞がたくさんできて排卵しづらい状態だと説明を受けました。

それから、ホルモン剤を使って人工的に生理を起こす治療を始めました。最初は2種類のホルモン剤を交互に飲んで生理を起こしていましたが、途中からピルに切り替わりました。薬を飲んでいる間は定期的に来ますが、やめるとやはり来ません。テスト期間などで通院できないと、そのまま途絶えてしまうこともありました。

診断を受けたときは「女性としての機能が低いのでは」と強いショックを感じました。周りの友達は自然に生理が来ているのに、自分は薬を飲まなければ来ない。薬で無理やり起こしていることにも不安があり、「いつか自然に来るようになりたい」と思っていました。

学生時代はずっとバレエを習っていて、「細い体型が良い」とされる環境のなかで、体重が増えないように食事制限をしていました。食べる量が少ないのに、運動量が多い生活を続けていたため、低体重の状態が続き、今振り返るとそれが生理に影響していたのだと思います。


- 高校卒業後はどんな道に進みましたか?生理の変化はありましたか?

高校を卒業して大学に進学しました。大学時代も自力では生理がこなかったため、基本的にはピルを使って生理を起こしていました。長期留学でハワイに行ったときも現地で婦人科を受診し、同じ診断を受け、日本で処方されたものとは異なるピルを処方されました。しかしそのピルが身体に合わず、強い倦怠感や体重増加などの副作用が出て、服用をやめました。

その後、日本に帰国してからは病院に行くのが億劫になり、「生理が3ヶ月来なければ婦人科を受診しよう」と、自己判断で過ごすようになりました。結局、大学後半はほとんど婦人科に通わず、自然に生理が来ないままの生活でした。当時は今のようにオンラインでピルを処方してもらえる仕組みもほとんどなく、継続的にケアするのが難しかったこともあります。


- 社会に出てからはどのような変化がありましたか?

新卒で都内の会社に入社した後も、生理は来ず、放置していました。健康診断では毎回「婦人科を受診してください」と言われるものの、忙しさを理由に先延ばしにしてしまうことも多かったです。

25歳で転職し、インナーケアやオーガニック製品を扱う会社に勤め始めてから大きな変化がありました。そこで同僚に勧められた健康食品を摂り始めたところ、なんと自力で生理が来たのです。

薬に頼らず、はじめて自分の力で生理が来たことに感動し、親に報告したことを覚えています。その頃からオーガニックコットンナプキンを使うようになり、「身体に触れるものを大事に選ぶ」意識が芽生えました。


- その後、仕事や生活の変化とともに、生理にはどんな影響がありましたか?

29歳でPR職に転職すると、忙しさや不規則な生活から再び生理が途絶えることもありました。ただ、身体をきちんと休めたり、インナーケアを取り入れるとまた生理が来る。自分の身体が正直に反応することを実感しました。

この時期にはあるハーブを勧められ、飲むとまた生理が定期的に来るようになるなど、体質改善を模索する日々でした。


- 最近の体調や生理の様子について教えてください。

昨年、左の卵巣からの出血で緊急入院する出来事がありました。腹腔に血がたまり、手術寸前までいきましたが、幸い自然に止まって事なきを得ました。その後は検査でも異常はなく、現在は大きな問題はありません。

今は飲んでいたハーブもやめ、ピルも飲まず、2ヶ月に一度程度の生理周期です。

約半年前から月経カップを使い始めたことで「自分の経血量は思ったほど多くない」という発見もありました。12時間近く月経カップを入れていても経血が溢れず、取り出した月経カップにたまった経血を見て初めて客観的に把握できました。体調によって、経血の質感が変わることもわかり、身体と向き合うツールとしてとても役立っています。主観だけでは分からなかった自分の体の状態を知れるのは大きな気づきでした。


- 生理をふりかえって、いま何を思いますか?

振り返ると、幼少期にきちんと生理の教育を受けていなかったことが、病気や長年の不調につながったのではないかと思います。「生理が来ないのは異常で、婦人科を受診すべき」という当たり前のことを、もっと早く知っていたら違う未来があったかもしれません。

だからこそ、生理やデリケートゾーンケアについて小さい頃から学ぶ場が必要だと強く感じます。そして大人になってからも、友人とオープンに話せる環境を持つことが大切だと今は思っています。



注釈:「わたしの生理」では、いろんな世代・環境の方が、生理とどのように向き合って暮らしてきたのか記録し共有することで、隠されがちな生理を考えて話すきっかけにしたいと取り組んでいます。特定の商品やサービスまたは対処法を推奨するものではありません。掲載されている内容はその方個人の体験ですので、気になる症状がある際はご自身で医療機関にご相談ください。

 


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