わたしの生理

生理の状況や感じ方は、人それぞれ。表に出てきづらいデリケートでプライベートなことだからこそ、ひとりひとりの生理の経験、心の声に耳を傾けることで、自分を大切にするきっかけに。生理を通して半生を綴るインタビュー。

Vol.025 - 生理が止まった10代のダイエット 夜勤で周期が乱れた20代 出産後に重くなった30代の生理

榎本なつみ 37歳 看護師

初経:小学3年生(9歳)

現在の平均生理日数:10日

現在の平均生理周期:30日

現在使っているサニタリーグッズ:月経カップ(murmo)、タンポン、おりものシート


- 生理はどんな日?

身体のバロメーターの日


- 生理と聞いて浮かぶイメージは?

憂鬱


- ここから、生理を軸にご自身の半生をふりかえっていきたいと思います。初経はいつですか?どんな風に覚えていますか?

初経は小学校3年生のときだったと思います。学校で性教育を受ける前だったので、パンツに血が付くという異常事態に驚いて、経血の付いたパンツを持って急いで母のところへ行きました。「血がたくさん出た!」と告げたら、母がとても冷静に淡々と対応してくれたのが印象に残っています。わたしも「生理」という言葉自体はすでに知っていたので「これが生理か」とただただ驚きました。

当時の生理の記憶はほとんどありません。生理が来てからも生理周期についての知識はなかったので、経血でパンツが汚れたらナプキンをつけるルーティンという感じでしたね。生理がプールの授業にかぶったときはプールに入れないので、周りに生理だとばれると思った記憶はあるのですが、だからといって、そのことを恥ずかしいとも思っていなかったです。運動が好きだったので、学校のスポーツ行事やミニバスなど積極的に参加していたのですが、生理痛もなかったし経血量も少なかったので、生理が負担になることはなかったと思います。


中学生になって変化はありましたか?

中学生から陸上部に入ったので、部活で生理が面倒に感じたり、男女の向き合い方も少し変わってきたこともあり、生理は邪魔なものになりました。とはいえ、生理は軽い方だったので、生活に支障は出ませんでした。

この頃、ダイエットの影響で生理が止まったことがありました。自分ではよく覚えていなかったのですが、後になって母に言われたんですよね。部活で運動もしていた上でダイエットをしたので、体重がかなり減って40kg以下になってしまい、そのときに生理が止まりました。貧血や立ちくらみも出てしまい、そんなわたしを見て「これはまずい」と母は思ったみたいです。

母がわたしの異変に気づいたのは、自宅にストックしているナプキンが減らなかったことやサニタリーボックスに捨てられる使用済みナプキンがなかったからだと思います。その状況に気づいて「最近生理来てる?」とわたしに直接聞いてわかったという流れです。

同じ時期に受けた健康診断でも貧血の疑いで要精密検査の結果が出たので、病院を受診しました。大きな病気は見つからなかったのですが、それからというもの食事には毎回ほうれん草の茎が入っていて、食べ過ぎて嫌いになりました(笑)。「変なダイエットをするから生理が止まったんだ」と母に言い聞かされたことで、生理が止まることや周期が乱れることは身体にとってよくないという意識が芽生えて、ダイエットをやめました。ダイエットをやめたら体重も戻って、生理周期も整っていきました。 


-高校生になってどう変わっていきましたか?

高校2年生くらいのときに当時付き合っていた彼氏と初体験をしたのですが、それからは次の生理が来るまで妊娠してないか毎月不安でした。ちゃんとコンドームはしていたものの、当時は「今絶対に妊娠するわけにいかない」という気持ちが大きくて、とにかく不安でした。性教育の授業でコンドームは性病を防ぐためでもあると聞いていたと思うのですが、そんなことは一切響かず、コンドームは妊娠しないためのもので、生理は妊娠していないことを確定するための判断材料と、当時は感じていました。


-高校を卒業して以降はどうしましたか?生理に変化はありましたか?

4年生の大学に進学して看護学を学び始めました。はじめは実家から通っていたのですが、実習が始まると、始発に乗っても開始時刻に間に合わなくなるため、途中から実家を出ました。弟の進学もあり、弟と二人暮らしをしました。

実家を出てから初めて自分で生理用品を買うようになりました。自分で買うようになってからも、実家暮らしのときに母が買ってくれていたナプキンと同じ種類のものを買っていました。母がいつも決まった種類を使う人だったので、わたしも同じものしか使ったことがなく、他の種類を試すという発想がなかったですね。


-大学を卒業してからはどうなりましたか?

大学を卒業してから、総合病院に就職して看護師として働き始めました。トイレに行きづらい環境だったので、ナプキンを取り替える頻度が減りました。そのため、仕事のときは常に夜用ナプキンをつけることで対処していました。

この頃からタンポンも併用するようになりました。勤めていた病院の目の前が海というロケーションだったので、夜勤明けに海に行く機会ができたことや、社会人になり活動範囲が広がってスノボに行くなど、いろんなアクティビティが増えたので、そういう特別なときだけタンポンを使っていました。

生理周期に変化があったのは、仕事を始めて2、3年くらいの夜勤が始まってからです。生理が約10日ずつ遅れていくようになりました。3交代制、2交代制、夜勤専従と3パターンの時間制での勤務を経験しましたが、全体的に周期は乱れていました。半年ほど夜勤専従をしたときは勤務時間は規則正しかったものの変わらず生理周期は乱れていたので、サーカディアンリズム(約24時間周期で変動する生体リズム)はあるんだと実感しました。

学生のときに感じていた妊娠の不安はなくなっていました。社会人になっていたこともあり、妊娠したら結婚すればいいと思っていたからです。だから、生理周期がずれていてもあまり気にしていなかったです。

総合病院に6年間勤めて退職、そのあと半年間の休み期間を経て、訪問看護師になりました。退職してしばらくして生理周期が正常に戻りました。夜勤がなくなった影響が大きかったのだと思います。


-30代になって、生理や体調、環境の変化はありましたか?

30歳のときに結婚、32歳で第一子を出産しました。わたしは完全母乳で育てていたのですが産後3ヶ月で生理が再開して、そのときから生理が重くなりました。

経血量が増えて生理痛が出るようになりました。量と痛みどちらも2日目がピークで、この頃から生理痛で痛み止めを飲むようになりました。痛みの部位はお腹というよりも腰に来る感じで、ずっとガンガン腰を叩かれているイメージです。

第一子を出産してから数年間その状態が続いて、第二子を産みました。第二子のときも産後3ヶ月で生理が再開しました。出産前と変わらず、経血量は多く生理痛がある状態でした。その後、第三子を産んだのですが、それからは経血量は多いものの生理痛は軽くなり、痛み止めを飲むことはなくなりました。

第一子出産してから今も継続する生理の不調で最も顕著なのは、立ちくらみです。

立ちくらみは勤務環境の影響もあると思います。第一子出産前から今も変わらず訪問看護の仕事を続けているのですが、総合病院での勤務とは異なる理由でトイレに行きづらいんです。
患者さんのご自宅での勤務になるので、お手洗いを借りることはできないし、一日に数件ほど患者さんのご自宅を回るので、合間の移動中にトイレに行くことになるんです。移動の隙間時間にトイレを探さなきゃいけないため、勤務中はトイレに行かないで済むように水分摂取を極端に控えるんです。わたしは水分に加え、勤務中の食事も控えるスタイルなので、経血として外に出るものは多いのに、水分と栄養両方の摂取が少ない状態になり、それが生理中の立ちくらみとして現れていると思います。

去年の終わりから月経カップを使うようになりました。
月経カップを使ったことで、はじめて自分の経血量の多さを自覚しました。
それと育ち盛りの子どもがいる人にも役に立つと思います。子どもがいると、プールやお風呂を避けられないんですよね。子どもたちは元気がありあまっているので、公共施設の大きなプールで遊びたい!となるし、生理だから行かないというわけにはいかず...そういうときにはこれまでタンポンを使っていたのですが、2〜3時間で紐をつたって漏れてきていていたので、水着に経血が漏れて付くんじゃないかと不安に思っていました。月経カップはその不安を解消できると、使ってみて実感しました。


-生理をふりかえって、いま何を思いますか?

生理への考え方が状況とともに変化していることがわかりました。今、生理は健康のバロメーターだと感じていますが、生理が始まった頃にそんな意識はなかったし、高校生になってからは、妊娠してないか確認するためのもので、ライフステージとともにだんだんと変わっていっているんですね。そう考えると、わたしにとって生理は、自分の身体と向き合うためのものになってきたと思います。

 

注釈:「わたしの生理」では、いろんな世代・環境の方が、生理とどのように向き合って暮らしてきたのか記録し共有することで、隠されがちな生理を考えて話すきっかけにしたいと取り組んでいます。特定の商品やサービスまたは対処法を推奨するものではありません。掲載されている内容はその方個人の体験ですので、気になる症状がある際はご自身で医療機関にご相談ください。


 

 


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