Vol.021 - 軽い生理だった私 ピルと月経カップで気づいた 身体と心の変化
植田千尋 37歳 会社経営
初経:中学1年生(12歳)
現在の平均生理日数:3日
現在の平均生理周期:28日
現在使っているサニタリーグッズ:月経カップ(murmo)、おりものシート
- 生理はどんな日?
ゆっくりできる日
- 生理と聞いて浮かぶイメージは?
身体おつかれさま!
- ここから、生理を軸にご自身の半生をふりかえっていきたいと思います。初経はいつですか?どんな風に覚えていますか?
中学1年生のときだと思います。思い返してみても、生理に関する当時の記憶がほとんどありません。生理日数は3、4日と短く、経血量も少なめ、生理痛やトラブルの経験もなかったからかもしれません。むしろ生理がくるようになったことを、大人になっていく身体の成長として、うれしいこととポジティブに捉えていました。女の子同士で生理の話をすることも楽しかったです。当時から女友達間で気軽に生理の話をできる仲だったのですが、生理がしんどそうな子の話もよく聞いていたので、その子たちと比べてわたしの生理は軽いんだなと思っていました。
部活は硬式テニスをしていたのですが、生理中につらくて休むこともなかったし、つらい記憶はないですね。
- 高校生になって変化はありましたか?
高校生になっても中学時代と変わらなかったと思います。
強いて言えば、高校でも続けていた硬式テニスの夏合宿のときに生理がかぶって、汗をかいてナプキンがムレて気持ち悪く感じたことくらいでしょうか。
高校生のときに初めてタンポンを使いました。「タンポンを使うと楽だよ」と友達に教えてもらったことがきっかけです。わたしはスーパー銭湯や温泉が好きだったので、生理中の入浴にも使えるのは便利だと思ったんですよね。
初めてタンポンを使ったときはとても苦戦しました。タンポンを奥に入れることへの恐怖感があり、身体がこわばって力んでしまい、なかなか入っていかず...何回か使っていくうちに少しずつ慣れていったものの、あまり好きになれなくて、普段使いをするようにはなりませんでした。タンポンを使うのは、スーパー銭湯や温泉に行くときとテニスの試合くらいで、いざというときのためのものでした。
-高校卒業以降はどうなっていきましたか?
大学に進学して在学中の4年間、社交ダンス部に所属しました。4〜5時間の練習を毎日行うのが当たり前の真剣に活動する団体でした。小学校のときからずっとスポーツをしてきましたが、大学時代が一番ハードでしたね。
練習のときは、大きめの夜用ナプキンを使っていましたが、踊っている最中にナプキンがずれることはありました。社交ダンスの練習着は、タイトな黒いスパッツが基本で、その上にヒラヒラしたスカートを履いたりするのですが、いつもぴたっとした黒いスパッツを履いているおかげで、ナプキンもスパッツでおさえられていてずれにくいし、漏れて経血のシミができても周りから見えないので、安心感はありました。試合のときにはタンポンを使うこともありましたね。ナプキンがずれるのを少しでも感じたくなく、踊ることに集中できるようにするためです。
運動量がとても多い競技だったので、生理が止まってしまう子もいたのですが、わたしはそういったことはなく、定期的に生理がきていました。
-大学を卒業してからはどうなりましたか?
大学を卒業して銀行に就職しました。社会人になって初めて、ピルが話題にあがるようになりました。「決まった日に生理がくるし、いろいろ楽だよ」と実際にピルを飲んでいる人から聞いて興味は湧いたものの、薬を飲むことがあまり好きじゃなかったし、つらい生理を送っていたわけでもなかったので、服用することはありませんでした。
社会人2年目のときに週末起業をしてダブルワークを始めました。その後、27歳のときに妊娠をして銀行を辞めて、自分の事業一本に絞りました。そして28歳で出産。出産以降もとくに生理に変化はなかったです。
出産して3、4年後の31歳を過ぎたくらいから、低容量ピルを飲むようになりました。ずっと生理周期は安定していたものの出張が多い仕事をしていたので、確実に生理がくる日がわかる状態にしたいと思ったことがきっかけです。
ピルを飲むようになってからは、以前よりも経血量が減り、3、4日間だった生理日数も3日間と短くなり、さらに生理が楽になりました。
もうひとつ変化したことがあります。ピルを飲むようになって、生理前や生理中の心身のゆらぎが敏感にわかるようになったんです。生理周期が確定しているからこそだと思うのですが、生理前になると日中の眠気が増したりイライラしやすくなることを、初めて自覚しました。もともと生理が軽いしPMSも気にならなかったので、心身のゆらぎに意識を向けることがなかったのですが、ピルを飲み始めてからは「生理前のこの日は睡眠時間を多めに取ろう」と調整したり「この日はイライラしやすい」と周りに共有したりするようにして、自分の心身の声を今までよりも大切にするようになりました。おかげで仕事や生活がしやすくなり、自分のことがわかる安心感も芽生えました。
ピルは今も継続しているのですが、昨年末からmurmoの月経カップを使うようになって、さらに生理が楽になりました。元々量も少なく、生理に対してストレスを感じていないと思っていたのですが、月経カップを使うことによって、意外と感じている生理のストレスに気づきました。量が少ないからこそかもしれないですが、本当に生理を気にしなくていい状態になったんです。念の為のおさえとして、おりものシートと組み合わせて使っています。カップにメモリがついているので経血量がわかるのも、初めての経験でした。学生時代に出会えていたら、もっと生理が楽だっただろうなと思いました。
-生理をふりかえって、いま何を思いますか?
隠すような感じじゃなく、女子トークのひとつとして生理や身体のことを話せることはすてきですね。友達や娘など身近な人とフラットに会話できることが大切だと思います。
娘は今9歳でまだ生理はきていないのですが、わたしが生理のときには、今生理で血が出ている状態だということ、生理は赤ちゃんをつくるために必要なこと、もう少ししたらあなたにも生理がくるんだよ、など生理のことを伝えるようにしています。
お互い話す環境がないと自分の生理のことしか知らない状態になってしまうので、こうやって自分の生理の話をしたり他の人の話も聞くことで、自分の身体と向き合って大事にするきっかけになるといいなと思います。
注釈:「わたしの生理」では、いろんな世代・環境の方が、生理とどのように向き合って暮らしてきたのか記録し共有することで、隠されがちな生理を考えて話すきっかけにしたいと取り組んでいます。特定の商品やサービスまたは対処法を推奨するものではありません。掲載されている内容はその方個人の体験ですので、気になる症状がある際はご自身で医療機関にご相談ください。
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