わたしの生理

生理の状況や感じ方は、人それぞれ。表に出てきづらいデリケートでプライベートなことだからこそ、ひとりひとりの生理の経験、心の声に耳を傾けることで、自分を大切にするきっかけに。生理を通して半生を綴るインタビュー。

Vol.018 -“隠すもの”だった生理 いまは思う いろんな人ともっと話したい

 

 

xiangyu 30歳 アーティスト

初経:中学2年生(13歳)

現在の平均生理日数:6〜7日

現在の平均生理周期:29日

現在使っている生理用品:murmoの月経カップ、おりものシート、薄めの使い捨てナプキン、オーガニックコットンのナプキン

 

- 生理はどんな日?

最悪の気分になる日 

 

- 生理と聞いて浮かぶイメージは?

マイナスなイメージ

 

- ここから、生理を軸にご自身の半生をふりかえっていきたいと思います。初経はいつですか?どんな風に覚えていますか?

中学二年生のときで、学校にいるときでした。気づいたときにはかなり下着が汚れてしまっていたんですけど、友達にナプキンをもらって、汚れた下着の上につけて、制服のスカートの下に体操着のズボンを履いて凌ぎました。女子校に通っていたこともあり、それでも大丈夫でした。でも汚れている感じが気持ち悪くて、保健室で替えのショーツをもらって、履き替えて過ごしました。保健室で替えのショーツをもらえることは、学校から教えてもらっていたというより、生徒間で情報共有がされていてみんな知っていたと思います。わたしは初経が遅い方だったので、友達が利用したことも聞いていました。

家に帰って、生理がきたことをお母さんに伝えましたが「あっそう〜」みたいなリアクションで、コソコソっと隠れて生理用品を渡されて以上という感じだったと思います。お赤飯もなかったし、お祝い事のイメージも特にありませんでした。お母さんがそういうタイプだったので、わたしにも「生理は隠すもの」という感覚がそこで芽生えたと思います。

 

-それ以降、中学生のときの生理で覚えていることはありますか?

中学の頃は、生理周期をまったく意識していなかったので、いつ生理がくるか把握しておらず、生理がきたときにナプキンを持っていないことがしょっちゅうありました。保健室でナプキンを借りてその分また返す仕組みもあったのですが、まずはクラスの女子にナプキンを借りて、友達との間で助け合っていたと思います。

この頃は、体育のときの生理がとにかくきつかった覚えがあります。体育を担当していたのが、いわゆる体育会系のおじいちゃん先生で、「体調不良」で休むのは認めない「気合いで乗り切れ」タイプの人でした。だから生理で辛いということをちゃんと言わないと休めなかったのですが、男性の先生に今自分が生理であることを伝えるのがとても恥ずかしくて、つらい生理のときの体育はいつも「どうしよう」って思っていましたね。しかも、わたしは私立の中高一貫校に通っていたので、先生の入れ替わりがほとんどなく、6年間ずっと同じ先生だったんです。なので、長い間、その葛藤がありました。とはいえ、高校2、3年くらいになると、学校や先生にも慣れて言えるようになりました。それでも、他の子が先生に言ったときに「わたしも◯◯さんと同じ理由で休みます」って逃げの言い方をしてましたね。やっぱり「生理は隠すもの」という意識がずっとあったからだと思います。

ちなみに、辛い生理のときに毎回体育を休めたかというとそんなことはなく、言い出せずに我慢したことも何度もありました。寒い日に半ズボンで走って、その後身体がしんどくなった記憶があるなぁ。

 

-高校生になってどう変わっていきましたか?

話がさかのぼるのですが、わたしは6歳からずっとクラシックバレエをやっていて、低体重だったんです。今思えば、初経が遅かったのはその影響もあったかもしれません。バレエの先生に「高校生になったらかなり太って身体が変わるよ」って言われていたんですけど、実際に高校生になってもまったく変わらなかったんですよ。

高校生になってからはなおさら体型を気にして太らないように食事に気を配っていたこともあって、健康診断で低体重すぎてひっかかるくらいでした。だからか、 生理は中学生のときよりも不定期になったと思います。ぐちゃぐちゃの周期で、生理が止まっていた時期もあったんじゃないかな。高校生のときは完全な生理不順でしたね。でも妊娠の疑いがなかったので、生理不順を気に留めることもなかったです。たまにしか生理がこないからか、生理はまとめて一気に重たい状態でくる感じで、量も多いし、体調も悪くて大変でした。

生理がつらいときの学校はどうしてたかなぁ。そもそも毎日時間通りに学校にちゃんと行っていなかったので、体調が悪い時は教室には行かなかったと思います。美術室に行って、美術の先生とお話しながらゆっくり過ごして、体調が回復してきたら教室に行くみたいな感じだったと思います。

 

-高校卒業以降〜20代では変化はありましたか?

服飾系の専門学校に入って、忙しい生活になりました。学校の課題も多かったので、朝から授業を受けて、その後帰宅して、自宅で夜中3時まで作業をして、数時間寝て、また翌朝学校に行くみたいな暮らしでした。でも、この頃バレエを辞めて徐々に5キロくらい体重が増えていったので、高校生の頃のように2、3ヶ月生理がこないことはなくなったと思います。それでも毎月決まった周期で定期的にくるって感じではなかったですね。

寝る時間が少なくなったことが影響していたかもしれませんが、それまで感じたことのなかった、生理前や生理中のむくみを知りました。「これがむくむってことか〜」って毎回思っていましたし、むくみ問題は今も解消されていないです。これって一生付き合っていくのかなぁ。

学生時代に婦人科へは行ったことがないです。というのも当時、自分が思っていた婦人科のイメージが「妊娠したら行く場所」だったんです。20歳くらいのときに、ピルを飲んでいる人に出会ったときは、すごく大人だなって思った記憶があります。思い返してみると、当時の自分にとって婦人科は一番遠い存在で、頼ろう・相談しようという気にはなれなかったんですよね。

4年制の服飾系専門学校時代を卒業して、社会人になるのですが、社会人一年目は、人生でもっとも規則正しい生活を送った時期だと思います。というのも、朝8時半始業、5時終業の北陸にある会社に新卒で入社したんです。だから、早寝早起きの規則正しい生活になりました。さらに、田舎での一人暮らしだったので、夜中まで飲み歩くとか、外食できる場所もないし、時間もあるので自炊もしていましたね。

当時のことで印象に残っていることがあります。アパレルの会社に勤めていたのですが、工場みたいなところで一度製造ラインに入るとなかなか抜けられない、かつ周りに「ナプキン持ってますか?」って言いづらい雰囲気の職場でした。だから、仕事中に急に生理がきたときは、トイレットペーパーをショーツにぐるぐる巻いて凌いだことを覚えています。あれは気持ち的にかなりつらくて「無理!」って思っていました。学生時代は友達にもナプキンを借りたり、近くのコンビニにすぐ買いに行けたからよかったんですけど、それができない環境だったのがつらかったですね。

その後、その会社を一年で辞めて東京に戻りました。コスチュームデザインのアトリエにアシスタントとして入ったのですが、仕事は忙しいもののアトリエに出社する日は少なく、自宅で作業することが多かったので、生理で体調が悪い日も、自宅でゆたんぽを抱えながら仕事をしたり、途中つらいときに休憩したり、なるべく身体が楽になるように工夫できる環境だったのがすごくよかったです。

24歳のときに、アトリエで働きながらアーティスト活動を始めました。活動のせいとは言いたくないんですけど、11歳のときに学校と家庭の問題で発症した自律神経失調症が悪化したのがこの頃です。特に生理前になると、心と身体どちらも自分でコントロールできないくらい調子が悪くなるんです。重いPMSだと思います。でも、当時はPMSという言葉自体、知りませんでした。ここ数年のネットメディアのおかげで、PMSの対処法のことなどを目にする機会が増えて、わたしもPMSかもしれないって思ったんです。でもPMSで婦人科を受診することはしませんでしたね。

そもそも自律神経のバランスが崩れていたからか、生理に関係なく、イライラや落ち込みみたいな気分の波が大きかったので、だったらもう一度、自律神経失調症を調べてもらった方がいいなって思って、別の病院に行きました。結果、薬を飲んで様子をみることになりました。

ちなみに、婦人科へは一度、生理痛をどうにかしたいと思って行ったことがあります。そのときに低容量ピルを処方してもらったのですが、副作用で気持ち悪くなってしまってすぐ断念しました。そのときの気持ち悪さがすさまじかったので、別のピルを試してみる気持ちにはなれませんでした。

生理前になると、目のまわりに腫れやかぶれが出たり、こめかみのあたりが膨らんで頭痛がしたり、足のむくみがひどくて夜眠れなかったり、他にもいろんな不調が出て、本当に生理ってしんどい!って今も思う日々です。

生理用品については、数ヶ月前から月経カップを使うようになって、生理初日・二日目のホットヨガも快適にできるようになりました。すごく相性がいいです。あとライブのときも、なかなか生理用品を替えるタイミングがなかったり、衣装に漏れるのが怖かったのですが、そういったことを気にしなくて済むようになって、すごくよかったです。

 

-生理をふりかえって、いま何を思いますか?

「あれってPMSだったのか」とか、「普通のことだと思っていたけど、特別な症状だったんだ」って、今日話したことで気づきました。身体や生理に関する知識や頼る先がないと、すべて自己判断になってしまうので怖いなって思います。でも婦人科に行くのは怖い...というか、自分の中で婦人科はいまだに近寄りがたいイメージがあるので、婦人科のことももっと知ることができて身近になったらいいなって思います。

 


コメントする

コメントは表示される前に承認される必要があります。

このサイトはhCaptchaによって保護されており、hCaptchaプライバシーポリシーおよび利用規約が適用されます。


murmoの月経カップ

商品情報はこちら
Click