わたしの生理

生理の状況や感じ方は、人それぞれ。表に出てきづらいデリケートでプライベートなことだからこそ、ひとりひとりの生理の経験、心の声に耳を傾けることで、自分を大切にするきっかけに。生理を通して半生を綴るインタビュー。

Vol.016 - 生理は工夫で楽になる 原動力になった探究心や好奇心



信近エリ 39歳 Rinē 代表

初経:小学校4年生(10歳) 

現在の平均生理日数:5〜6日

現在の平均生理周期:25日

現在使っている生理用品:タンポン、吸水ショーツ



- 生理はどんな日?

昔はすごく憂鬱な日、今はちょっと嫌な日


- 生理と聞いて浮かぶイメージは?

足枷


- ここから、生理を軸にご自身の半生をふりかえっていきたいと思います。初経はいつですか?どんな風に覚えていますか?

初経は小学校4年生でした。トイレットペーパーに茶色い経血のようなものがついたのを見たときに、当時から生理の知識は少しあったので、もしかして...と思い、すぐ母親に言いました。その後、お赤飯を炊いてもらったと思います。

同学年の女子の中で生理が始まるのが一番早かったと思います。今身長は小さい方なんですけど、小学5年生まではずっと一番背が高く、発育が早かったことも影響していると思います。
わたしの通っていた学校では、生理のことを隠す風潮はなかったので、友達に「生理きたかも」って話をしました。「生理ってなに?」ってリアクションをされたり、生理がきた子が現れた!みたいな雰囲気になったので、きっとわたしが学年で最初に生理がきたんだって思っていました。

生理が始まっている人は自分しかいないという状況だったので、学校で替えのナプキンをトイレに持っていくときに、女友達からは「どんなかんじ?」と質問されたりしましたが、特に女子同士で話す分には恥ずかしいという感覚はなかったです。一方、男子に知られるのはすごく恥ずかしく、ポーチに入れて持っていくと生理だとバレちゃうと思って、洋服のポケットに入れて持ち運ぶようにしていました。とはいえ、男子にからかわれることはなかったです。男子にとって生理は恥ずかしくて触れちゃいけないこと、“生理=タブー”という感覚があったんだと思います。


-中学生になってどう変わっていきましたか?

中学生になると周りの人たちも大体生理がきていたので、お互いに話せるようになって助かりました。

身体の変化という面では、生理前になると胸の張りが出て、階段を上がり下りするときは胸を押さえて動かないと辛かった記憶があります。

あとは、生理が始まった頃に少し腰が痛くなったり、下腹部が重くなるような生理痛がありました。とはいえ、薬を飲むほどではなかったです。

10代のときは経血量も多くて、夜用ナプキンを付けていても失敗する確率が高かったです。朝起きたら、布団のシーツに経血がついていることもありましたね。


-高校生になってどう変わっていきましたか?

思春期も相まって肌荒れがひどかったぐらいでしょうか。

今、わたしはタンポンユーザーですが、タンポンを初めて試してみたのも、高校生のときだと思います。わたしが高校生の頃は、温泉やプールに入る予定に生理が重なった場合はタンポンを使う風潮があって、周りのみんなもそうしていたと思います。タンポンを日常的に使っている人は周りにいなかったけど、修学旅行や水に入るイベントのときなど、そういった非常時に使うものという印象です。

母はタンポンを使っていなかったので、母にタンポンがほしいことを伝えて、一緒に買いに行ったか、買ってきてもらっていたと思います。使い方は、タンポンユーザーの友達に聞いてからトライしました。でも、特に手こずることはなかったです。


-20代になって、生理に変化はありましたか?

20代半ばくらいで、不正出血が止まらなくなったことがあります。常に生理5日目みたいな状態で、少量の経血が出る日が、生理以外の日もずっと続く状態です。本来の生理日には、通常の生理と同じように経血量が多くなって、生理日以降は少量の経血が出続けていました。そのうち自然におさまるかなと思って、なかなか病院には行かなかったんですけど、3ヶ月くらい続いたので、さすがにと思って婦人科に行きました。

診察では特に病名を言われることはなかったのですが、中容量ピルを処方してもらいました。それを飲んだら、すっと不正出血が止まりました。中容量ピルは気持ち悪くなるなどの副作用が出る人も多いみたいですが、私は大丈夫でしたね。

不正出血はすぐ止まったので、その後もピルを飲む必要はなかったのですが、中容量で副作用が出ないなら、低容量ピルも副作用が出ないだろうと思って、そこから低容量ピルを飲むことにしました。中容量ピルをのんだことで、ピルへの抵抗もなかったですし、経血量が少なくなってPMSやPMDDも楽になるなら快適になりそうと思い、飲み始めました。

ピルの効果だと思うのですが、20代後半くらいからPMSやPMDDは落ち着いていきました。今思えば、10代の頃も生理前になると、胸が張ったり気分が落ち込むことがあったので、PMSやPMDDの症状は当時からあったんだと思います。だけど、その頃はPMSやPMDDという言葉がまだ知られていなかったし、そういった不調が生理に関わっているということも知らず、大人になってからわかりました。

低容量ピルの服用は、約2年間続けました。服用をやめたのは、血栓症のリスクを考えたからです。というのも、以前にわたしは血管が詰まりやすい体質だと言われたことがあって、親戚も血管が詰まって亡くなっている人も何人かいたので血筋的にもリスクが高く、さらにその頃、血栓症のリスクを高めるトラネキサム酸を摂取したかったこともあり、血栓症になりやすいものを摂取することはなるべく減らそうと思って、ピルをやめました。

やめた後も、生理やPMS・PMDDがピルを飲む以前の状態に戻ることはなく、比較的落ち着いた生理が続いていました。


-30代になって、生理に変化はありましたか?

30代半ばくらいで、吸水ショーツに出会いました。わたしにとって生理は重くなくても煩わしいことには変わりないので、吸水ショーツのような新しいプロダクトを知って、生理を忘れられるような体験をしたいと思ったんです。まずユーザーとしていろんな商品を取り寄せて使ってみたことが、今やっているRinē(オリジナル吸水ショーツなどを扱うブランド)に繋がっています。
わたし自身がユーザーとして最高!と思えるものに出会っていたら、自分で吸水ショーツの開発はしていなかったと思います。いろんなショーツを試してみて、改善の余地があるなと思ったことと、吸水ショーツというものに魅力を感じていたので、じゃあ自分が最高と思えるものを自分で作ってみたらどうだろうって思ったことが、Rinēを始めるきっかけでした。

わたしは今、生理のときには、吸水ショーツとタンポンを組み合わせています。量が多い日はタンポンと吸水ショーツ、生理のはじまりや終わりかけなどは吸水ショーツだけで過ごす感じですね。

それ以外だと、ここ半年くらいの話なんですが、明らかにホルモンバランスが崩れていると思います。というのも、あごの部分に集中して吹き出物が繰り返しできるようになったんです。それまで肌トラブルと無縁だったので驚きました。

生理中だと、今までで一番生理痛が重くなっていると感じています。下腹部や腰が痛いこともそうだし、排卵痛もその1、2年前くらいから感じるようになりました。

だんだん年齢とともに女性ホルモンの分泌が低下していくものと思いきや、10代の頃みたいに胸も張るようになってきて、40歳手前にして、むしろ活性化している気がします。わたしは好きな人ができると胸が張ったりして、女性ホルモン分泌されているなって自覚があるのですが、それと同じ感じです。

そんな感じでいろんなことが起きていますが、まずはひっきりなしに出てくる吹き出物に対処しようと思って、最近は生理痛やPMSを緩和する市販薬を飲んでいます。なんですが、一日3回食後に飲むことが自分のライフスタイルと合わず、なかなかちゃんと服用できないので、治らないんです。それ以外にも女性ホルモンに作用するようなアロマオイルやミストなども取り入れてみたりと試行錯誤しているのですが、面倒くさがりな性格もあってなかなか続かないんです。そんなに毎日意識高くいられないって思って。だから普段の生活に絶対使うものに女性ホルモンを整えてくれるものを取り入れたいと思って、今Rinēで女性ホルモンを整えてくれる精油を調合したデリケートゾーンソープを作っています。


-生理をふりかえってどう思う?

生理に関することは、好奇心やもっとよくしたいという想いがあれば、工夫である程度カバーできることが多くあると思います。どうしようもなく避けられないものだと思っていた生理を、いい方に変えていきたいと思って、いろいろ試して改善できたという経験を得られたことが、今の仕事にも繋がっているし、自分の暮らしも快適になったので、とてもよかったです。元々わたしは探究心の強いタイプだと思いますが、自分の生活と切り離せない生理をこうやって向上させられたことは、人生の成功体験のひとつと言っても過言ではないです。どんなことでも、よりよくしようという想いが強ければ、工夫でどうにかできるという自信をもらいました。


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