わたしの生理

生理の状況や感じ方は、人それぞれ。表に出てきづらいデリケートでプライベートなことだからこそ、ひとりひとりの生理の経験、心の声に耳を傾けることで、自分を大切にするきっかけに。生理を通して半生を綴るインタビュー。

Vol.014 - たまにしか来ない生理をラッキーだと思っていた学生時代 出産して変わった生理の意識




K.M 43歳 経営者
初経:中学1年生(13歳)
現在の平均生理日数:5日
現在の平均生理周期:28日
現在使っている生理用品:月経カップ、ナプキン


- 生理はどんな日?

ちゃんときたなって日


- 生理と聞いて浮かぶイメージは?

リセット


- ここから、生理を軸にご自身の半生をふりかえっていきたいと思います。初経はいつですか?どんな風に覚えていますか?

中学1年生の頃、親戚のお葬式で生理っぽいものがきたので慌ててお母さんに伝えたら、ナプキンを手渡されて、そのナプキンを自分で付けて対応したのを覚えています。突然の出来事にそのまま受け入れざるを得ないという状況でした。私は初経が遅い方だったので、母にナプキンの付け方を教わったのではなく、以前に学校で一通り習っていたので、その知識でナプキンを装着したと思います。最初は茶色いものがついたくらいだから、気のせいかなって思ったけど、何となく近いうちに生理がくるだろうって心の準備をしていたし、お母さんもそのときはお葬式で余裕がなかったから、パパっと渡されて終わったっていう印象です。赤飯も特になかったかなぁ。


-その後、中学のときの生理はどんな感じでしたか?

実は、初経から数ヶ月は生理が来たり来なかったりという状態でした。その後、さらに1年半くらいの期間、生理が止まりました。
というのも、その頃の私は食事制限をしていて痩せていたからだと思います。極端なダイエット志向になっていたので、激痩せとまではいかないけど、身長は伸びていくものの体重は増えないという状態でした。親も生理がちゃんと来ていないことに対して、たぶんそんなに気にしておらず、若いうちの生理は不安定だよねくらいの感じでした。
でも1年以上生理がこないのに大丈夫なのか?という話になり、中学3年生のときに親に産婦人科に連れて行かれました。診察でお医者さんに「ホルモン剤を出そうか」と言われ、薬を処方されました。その薬を飲んだら生理が再開しましたが、薬をやめるとまた生理が止まるという状況が何回か続きました。
だから、中学校のときはほぼ生理が来ていない状態でしたし、それを危険なことだとは思っておらず、なんなら生理が来ないのは楽でラッキーくらいの気持ちでした。
ただ病院で出された薬を飲むようになると、薬の副作用で顔がむくむようになって、薬を飲む以前の中学生の頃はほっそりしていたのに、薬を服用した高校1年生くらいになると身体は細いのに顔はむくんでパンパンになってしまい、今も当時の写真はあまり見たくないです。

当時は産婦人科に通院していたので、ちゃんと基礎体温を測っていましたね。うろ覚えなんですけど、「無排卵月経になっている」とお医者さんに言われたと思います。それは良くないことだからということで、基礎体温を測ることと薬を飲むということをしていましたね。
高校生はずっとそういう感じです。基礎体温を記録する手帳みたいな紙をもらって、そこに鉛筆で書いてたことを覚えてます。生理が不安定なことも、基礎体温をつけることも、高校生だし、そういうもんなんだ、みんな同じなんだろうなって思っていましたね。
というのも、友達同士で生理のことを話すこともなかったですしね。

部活はソフトテニスをやっていましたが、生理自体ほとんど来なかったし、来たとしても量も少ないから漏れたりもしないし、生理痛やPMSも感じたことがなかったので、辛いみたいな気持ちはほとんどなかったです。


-その状態はどのように変化していきましたか?

大学生になる頃には、だんだん生理が安定してきていたと思います。ただ、ストレスや疲れが出ると生理不順になっていて、周期が乱れていましたし、経血量も少なかった気がします。その頃、産婦人科の先生に言われていたのは、「子宮や卵巣の機能は正常で、ホルモンバランスの問題が起きているから、その機能を忘れさせないためにお薬で生理を起こしているんだよ」ということでした。

大学に行って、おそらく彼氏ができたくらいからホルモンバランスが安定して、前よりも生理が来るようになったんですが、それでも生理は2ヶ月に一度くらいでした。毎月安定して何日周期で来る状況ではなかったです。でも完全に生理が止まってなければいいかと思っていました。


-働きはじめて変わっていったことはありますか?

働き始めてからは、疲れが溜まると生理が1ヶ月とんだりと大学生のときよりも生理が不規則になりました。その頃には、雑誌や本を読んで、生理や身体に関するいろんな情報も入ってきていたので、これはどうやら普通のことじゃないんだって認識しました。改めて婦人科に行ってみた方がいいのかなと思って、病院にも何度か行きました。その度に子宮や卵巣の機能は正常だけど、ホルモンバランスが崩れていることを診察で言われていました。そのときは、女性ホルモンの薬や漢方を処方されるので、それを服用していましたね。

それから、私はなかなか妊娠しない身体なのではと心配になりました。20代で結婚していたし、子どもがほしい気持ちもあったのですが、基礎体温も低いし、生理不順だし、ちゃんと排卵してないんじゃないか。だとすると、なかなか赤ちゃんもできないんじゃないかって思って、30歳くらいでちゃんと病院に通院するようになりました。

その頃、自然妊娠したのですが流産してしまって、そこから排卵誘発剤みたいな薬を出されて、基礎体温測定をベースにした、妊娠のタイミング療法を始めました。その結果、子どもを授かりました。2つの卵子を排卵したみたいで、双子が生まれました。


-出産以降に身体の変化はありましたか?

私は出産してからの方が生理周期が整いました。身体がリセットされて整った感覚です。ただ、同時に経血量が増えて、生理痛もでるようになりました。
経血量が増えたことによって、ズボンまで貫通して経血が漏れてしまったり、歩いて帰れないくらいになってしまったり、はじめて経血量が多くて失敗するようになったんです。
みんな若いときからこういう失敗をしていたのかって思いました。その頃は、昼でも夜用のナプキンをつけて、夏はかぶれて、すごく憂鬱だなって思っていました。一方で、ようやくちゃんとした女性の身体になったのかとも思う、複雑な気持ちでした。

自分の母親と生理の話をあまりする関係ではななかったんですけど、母が「出産を機に体質が変わった」と言っていた記憶がうっすらあって、その意味合いとしては、生理が重くなったというよりも軽くなったということだったと思います。私はその反対で、出産を機に生理が重くなっているので、人によるんですね。

“リセット”という感覚も、多くの不妊治療をされている人に比べたら、自分は短期間だし初歩的なことしかしてないですが、それでもタイミング療法をしていたときには、生理がきたことで今回も妊娠しなかった、リセットされたという気持ちにはなっていました。
だけど、自分の身体を俯瞰してみたときに、脳からホルモンが出て、それを受けて子宮が反応して正常に機能して卵子が排出されたんだと考えるようにもなりました。生理が来たということは着床はしなかったということなわけだけど、それでも脳と子宮・卵巣の全部のバランスが取れて、全体の周期が完了する=”リセット”という感覚にもなりました。

それでも今も生理は乱れがちで、不正出血も多いです。生理が終わって1週間経った頃から再び血液が出始めて、長期間少量の血液が出続けるという感じです。そういうものかなって思う節もあるんだけど、この歳になると周りの女友達からも「病院に行った方がいいよ」って勧められるので、またそれで婦人科に行く。そこで内診や検査をしてもらうんですけど、「問題はない」「ホルモンバランスの乱れです」って今までと同じように言われるんです。少なくとも年に1、2回は、婦人科に行ってちゃんと見てもらおうという状況ですね。

短い生理期間で終わって、その後も出血が起きないときは、子宮や卵巣と女性ホルモンの両方がうまくいってバランスが取れているんだなって気持ちになるし、生理自体は不快だけど、よしよし、私の身体お疲れさまっていう、自分の身体に対してありがとうの気持ちにもなってきました。それで今に至ります。


-生理をふりかえってどう思いますか?

ライフステージによって生理の捉え方が変化していると思います。あと、去年娘に生理が来たことで、その当時の自分の生理を振り返るというか、もう一度一緒に生理を体験している感覚があって、少し面白いです。
あと数年で自分の生理が終わると思うと、もう1回最初から同じことを繰り返したくはないけど、ちょっとさびしさも感じるんじゃないかなと思います。


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