Vol.012 - 敬遠していた保健室 友達の後押しで訪れて はじめて知った温かさ
M.T 22歳 大学4年生
初経:小学校3年生(9歳)
現在の平均生理日数:6日
現在の平均生理周期:33日
現在使っている生理用品:使い捨てナプキン、吸水ショーツ
- 生理はどんな日?
女の子の日(マイナスもプラスもない)
- 生理と聞いて浮かぶイメージは?
雲
- ここから、生理を軸にご自身の半生をふりかえっていきたいと思います。初経はいつですか?どんな風に覚えていますか?
小学3年生の夏、親と外出していたときに立ち寄ったコンビニのトイレで、経血よりも濃い色のものがショーツについていて、まだ授業などで生理のことを教わる前だったので、病気じゃないかと焦ったことを覚えています。大変なことになってしまったと思って、親にその場では言えず、お風呂に入ったときに母親が気づいて、「生理がきたんだね」と、ナプキンの使い方を教わりました。
生理痛やPMSはまったくなかったんですけど、たしか小学4年か5年生の冬に、上半身と下半身が裂けるんじゃないかってくらいの激しい生理痛に襲われたことがあります。痛すぎてストーブにしがみつきました。そうしたら母が生理痛用の痛み止めを買ってきてくれて、それを飲んだらすぐ治って、薬ってすごいと思った記憶があります。ですが、それ以降は同じような痛みがでることも、生理痛の薬を飲んだこともなく、そのとき一回きりです。普段の生活や学校で不便を感じた思い出はあまりないですね。
ただ、初経が小学3年生と早かったので、だんだんと周りの子にも生理がきていることを知るのは少し嬉しかったです。自分だけじゃないんだっていう気持ちでした。自分からは人に生理があることを恥ずかしくて言えなかったので、友達が話しているのを聞いて知りました。あと、体育や水泳の授業のときに相談できる子ができたことも嬉しかったです。
生理とは話がずれるのですが、小学1年生の頃にすごく胸が痛くなって、少し身体が変わったことを覚えています。早めに身体が成長していたのだと思います。すごく胸が大きくなったわけじゃないのですが、親が察して、スポーツブラを用意してくれました。
-中学生になってどう変わっていきましたか?
卓球部に入っていたのですが、意外とよく動く競技で、動きが激しいし、ナプキンを取り替えるタイミングもないので、ショーツが汚れるのは仕方ないと思っていました。友達とそういったことを話すこともしなかったので、自分で選んだ対処法として、夜用のナプキンを朝から一日中つけるようになりました。
-高校生になってどう変わっていきましたか?
中学生のときと変わらず、夜用ナプキンを日中も夜もつける生理期間でした。面倒くさがりな性格というのもあるんですけど、授業と授業の間は「やっと授業が終わった〜」っていう気持ちもあるし、友達と話したい時間でもあるのに急いでトイレに行ってナプキンを取り替えに行くのが嫌だったことと、学校のトイレが安らげるほど綺麗ではなく行きたい場所じゃなかったからです。朝自宅で夜用ナプキンをつけて学校へ行き、6時間〜8時間くらい、ずっと同じナプキンをつけることが当たり前でした。替えのナプキンは一応持っていたんですが使わなかったです。私は面倒くさがりだったし、肌荒れやムレ、においなどの自覚症状もなかったので、取り替えなくてもいいやって感じでしたね。
高校のときのことで覚えていることがひとつあります。私の学校の制服は緑色のセーラー服だったんですけど、学校にいるとき、たしか全校集会のときだったかな。漏れてしまって、スカートのちょうどわかりやすいところに経血のシミができたんです。シミの部分が濃い緑色になってすごくわかりやすく跡がつきました。そのことに自分で気づいたんですけど、すごく焦って、友達についてきてもらって保健室に行きました。私は保健室に行き慣れてるタイプではなかったので、本当は保健室に行きたくなかったんですが、友達に「とりあえず保健室に行こう」と言われて行きました。そうしたら、保健室の先生がすごく対応に慣れていて、「こうやってポンポンとやるとシミが落ちるんだよ」と教えながら一緒にやってくれて、シミが残らなかったんです。先生の手慣れた感じから、自分みたいな子が他にもいたのかなって思いました。
小学校のときも保健室の先生と仲のいい友達は多くいたんですけど、私はそういうタイプではなくて、気軽に保健室に行くことがあまりできなかったんです。いつも体調はいいし、雑談をしに行くのも申し訳ない気持ちと、どういう対応をされるかまったく想像がつかなかったこともあり、行く機会がありませんでした。でも保健室に行ったことで、みんなこういう用事で保健室に来るんだって思ったり、保健室の先生も当たり前にいろんなことを知っているんだって気づいて、少し温かい気持ちになりました。
-大学生になってどう変わっていきましたか?
大学のトイレがすごく綺麗だったので、自宅から大学まで片道2時間半かかるんですけど、トイレに行くなら大学のトイレに行きたいと思うようになりました。大学一年生から三年生のころって、1限から4限まで必修や選択必修の授業があって、かつ通学時間が長かったので、朝7時頃には自宅を出発していました。そうなると、学校にいる間ナプキンを替えないとなると、丸一日替えないという状態になる。それはさすがに無理だったので、外出時でも取り替えるようになりました。駅の公衆トイレとかにはあんまり入りたくなかったので、なるべく大学のトイレで取り替えています。大学のトイレは綺麗で心地いい場所で、照明も明るくて安心感もあって、とてもよいです。
大学二年生の夏・秋くらいから、吸水ショーツを使い始めました。元々、性交渉によるリスクに興味があって、高校生のときにはそういう不安について信頼する大人たちには相談できなかったんです。でも、オープンに話していけるような風潮になってきていることをある企業の取り組みで知って、もっといろんな商品について知りたいと思い、その企業が運営しているショップでアルバイトをしたことがきっかけでした。最初は吸水ショーツや月経カップのこともゼロから学ぶみたいな感じだったんですけど、タンポンも入れたことなかったので月経カップよりは吸水ショーツの方が最初のハードルが低いと思って、値段が安めの吸水ショーツを1枚買って使ってみたら、いつナプキンを取り替えるかなどを考える手間がなくなっていいなって思いました。
大学3年生の秋にオランダに留学に行くことにしたのですが、現地でナプキンを買うのもお金がかかっていやだなと思ったし、吸水ショーツも使っていてよかったので、3枚くらいを追加で買ってオランダに持参しました。それからは、小さめのナプキンと吸水ショーツを組み合わせたり、吸水ショーツだけの日など、日によって過ごすようになりました。
その後、「吸水ショーツを使っているとムレと臭いが気になる」と友達が話していて、私も確かに気になることに気づき、それからは、生理2日目や3日目あたりは、吸水ショーツに大きめのナプキンをつけて、半日たったらそのナプキンを取って、一日の後半は吸水ショーツだけで過ごすようにしたら、吸水ショーツでの漏れの心配などもなくなりました。
あと、大学生になって、生理2日〜4日目くらいまではお腹が痛いというより変な違和感を感じるようになって、今までまったく生理痛がなかったので逆にこれかみたいな感じです。嬉しいわけではないけど、他の人の生理に対する嫌な感じがわかった気がしたのはよかったです。
-生理をふりかえってどう思う?
今まで生理で困ったことはないと思っていたけれど、なにかしら生理について考えていた時間があったんだなって、今話していて気づきました。
大学の取り組みで、月経に対するモヤモヤや、男女間もしくは同性間でのしがらみについてを考えることがあったんですけど、私はいつもどこか他人ゴトで。でも、私もまったく悩んでいなかったわけではなかったなっていうのを再発見しましたし、13年前の生理が始まったときの記憶をこんな鮮明に覚えてるんだって驚きました。
生理が来たということは、自分をつくる大きなイベントの一つだったんだなと思いました。
「わたしの生理」では、いろんな世代・環境の方が、生理とどのように向き合って暮らしてきたのか記録し共有することで、隠されがちな生理を考えて話すきっかけにしたいと取り組んでいます。特定の商品やサービスまたは対処法を推奨するものではありません。掲載されている内容はその方個人の体験ですので、気になる症状がある際はご自身で医療機関にご相談ください。
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