わたしの生理

生理の状況や感じ方は、人それぞれ。表に出てきづらいデリケートでプライベートなことだからこそ、ひとりひとりの生理の経験、心の声に耳を傾けることで、自分を大切にするきっかけに。生理を通して半生を綴るインタビュー。

Vol.008 - 大学生の自分が見つけた生理をコントロールするピルという選択肢




さっしー 40歳 派遣社員
初経:小学校4〜5年生(10歳)
現在の平均生理日数:7日
現在の平均生理周期:27日だったのが、最近は2ヶ月〜3ヶ月
現在使っている生理用品 月経カップ+ナプキン


- 生理はどんな日ですか?

嫌な日


- 生理と聞いて浮かぶイメージは?

不安、怒り、とにかく嫌なもの


- ここから生理を軸にご自身の半生をふりかえっていきたいと思います。初経はいつですか?どんな風に覚えていますか?

10歳くらいのときに生理が来て、赤飯の代わりにチーズケーキをホールで食べたことを覚えています。私は赤飯が嫌いだったので、母に「あなたの身体のお祝いだから、好きなものを1人で全部食べていいよ」と言われて、好きだったチーズケーキをホールで1人で食べてました。ケーキを食べられてラッキーという思い出です。
ただ、初経からなのか、二次性徴で、当時から胸が大きかったんです。だから生理が始まって胸が大きくなって、周りの視線が変わったことがすごく嫌でした。
生理をきっかけに胸が大きくなったのかは曖昧でよく覚えてないですが、生理が来る頃には胸が大きくなっていて、スポーツブラではとてもじゃないけど耐えられない、確かDカップくらいあったんですよね。
体育のときに、男の子の視線を感じて「なんで?」って思ったし、女の子からも「なんでそんなに胸大きいの?」「どうやったら大きくなるの?」って聞かれたりして「知らんがな!」と思っていました。そんなことを言われても、私も望んでなったわけでもないですし。これが女になるということかと思って、それがすごく嫌だったことを覚えています。

あと、私は周りの人に自分から生理の話をするタイプではなかったので、周りの女の子たちがこっそり生理が来たとか来ないとか、そういうことを話している姿をなんでだろうと不思議に感じていました。それなのに、自分は胸や身長が大きかったからか、そういうことを知ってる人と思われていて「生理ってどうなの?」って聞かれたりすることもあって、そのときは自分の中身が成長してなかったからか「は?知らんよ」みたいな感じで、とまどっていました。


-中学・高校生になってからはどうなりましたか?

中学から女子校に入学したので、男の子の目がなくなったことで気持ちが楽になりました。でも生理はどんどん重くなって、冬は家のこたつから動けなかったりと、身体的にはしんどくなりました。
少し話がずれますが、学校で女の子が連れ立ってトイレに行くのが理解できなかったのを覚えています。なんで一緒に行くんだろう?、トイレくらい一人で行けばいいのにって当時思っていましたね。

中学では文化系の部活動に入っていたので、生理で特別つらいということはまったくなくて、高校で運動部に入ってからの方が面倒に感じるようになりました。

高校生になった頃から経血量もすごく増えたと思います。しょっちゅう漏れて、パンツを汚しちゃうこともあり、日中も夜用ナプキンをつけていました。
生理痛は、夏は平気で冬はつらかったです。薬は飲んでいなかったけれど、冬場の生理2日目が一番つらく、そこを越えればなんとかなるという感じでした。
生理周期は正常で、定期的に来ていました。生理がきてパンツが汚れたらナプキンをするという流れで、特に記録をつけたり、いつ頃来るかなって予測をすることはなかったです。高校生のときは、生理よりもおりものの量が多くて、常におりものシートをつけていました。中学のときもおりものは多かったけど、シートは使わずにパンツを手洗いしていましたね。


-大学生になってどうなりましたか?

大学生になってアルバイトをするようになり、かつお付き合いする人が現れたときに、低容量ピルを飲み始めました。というのも、生理痛のサイクルにむかついていたのと、避妊を男性に任せることに対して、いらだちがあったからです。

大学1年生のときだったと思うのですが、当時ピルは今ほど一般的なものではなく、自分でインターネットで調べて勉強しました。それから婦人科で相談したところ、ピルを処方してもらえたのでピルを使い始めました。身体にも合っていたし、生理がいつ来るか把握したり、予定があればずらしたりと、自分で生理をコントロールができるようになったことがとても画期的だと思いました。かつ、性交渉をしても妊娠のリスクがすごく減るということで、いろんな不安がなくなりました。さらに、重かった生理痛も少しずつ解消されていって、ピルをもらいに定期的に婦人科にも通って診てもらえるしと、不安要素を減らせたのがよかったです。

婦人科に行くのは最初は怖かったですが、定期的に行くことで慣れました。経過を診てもらいながら、先生と「生理痛どう?」と話をしたり、検診の結果を聞いたりして。先生曰く、私は子宮内膜が厚いタイプだったらしく「ピルを飲むことで子宮内膜が薄くなるから、このくらいだったら生理痛もないんじゃない?」と言われて、「へ〜生理痛ってそうやって変わるんだ」と知りました。そんな感じで、20代はずっとピルを飲んでいました。自分の身体をコントロールしてるぞという意識を持てることが、私にはすごく合っていましたね。


-社会人になってからは変わっていきましたか?

大学一年生から10年以上、同じピルを飲み続けていました。副作用もなかったし、飲んでた期間は、本当に生理が安定していて、生理痛もほとんどなくなって、経血量も減って、生理期間もピルを飲む以前は7日間しっかりあったものが5日間で終わるようになりました。生理はただの排泄期間という感じで、漏れる心配は今までよりは減ったけど、出てくる不快感はあったので、まあこんなもんかなと思っていました。

その後、結婚して子どもがほしいと思ってピルを辞めました。2人目を産んだ後にPMSがひどくなって、もう一度病院に行きました。そこでまた違うピルを処方されて飲むようになったのですが、最初は何ヶ月かに一度生理が来てたのが、だんだんのびて、最大6ヶ月くらい生理がなくなって、最高!って思っていました。ですが、2人の子どもを育てながら、3ヶ月おきに婦人科に行くことをかなり面倒に感じて、ピルもPMSに効いてるのかわからないし、そもそもその不調がPMSなのか産後の影響なのか、更年期の怒りっぽさなのかわからなくて。身体的にはとても楽だったものの、かかる時間的なコストに面倒くささを感じ、かつ、東京から仙台に引っ越そうと決めたときに、また仙台で一から病院を探して通院というのがなおさら面倒くさいと思い、引っ越しをきっかけにピルを飲むのを辞めて、今も飲んでいません。

今の生理は、基本的に周期で来るのですが、アプリやiPhoneのヘルスケア機能を使って記録しています。そこで初めて自分で周期を把握するようになりました。約10年間ピルを飲んでいたので、ピルを辞めた今は自分で把握しなきゃという思いがあります。今はその記録を見て「27日周期くらいなんだな」って思っていたのですが、急にここ2ヶ月ぐらい周期がずれているので、一度病院に行った方がいいんだろうなと思っています。


-生理をふりかえってどう思いますか?

ピルで半年に一度の生理にできるんだから、もっと他にもできることがあるんじゃないかと思います。
あと、生理というか、ナプキンに対して常々腹が立っていたことがあって、それはナプキンの袋を開けるとハートマークがついてたりすることです。生理を少しでもハッピーな気持ちにという意味で可愛くあしらってくれてるんだろうと思うんですが、でもそもそも女性=ハートが好きってどこからきてるの?変なバイアスがかかってるんじゃないの?と、生理用品に対して思うことが多々ありました。天邪鬼なのかもしれないですが、人と同じ行動をしていることもなんでだろうって思います。その方が楽だとは思うけど、楽なだけでいいのかなって、今までの人生を振り返って思います。それがいらない衝突を生むこともありますが(笑)でも、みんな同じ方向に進まなくてもいいんじゃないかと思っていて、だからこそ生理に対しても、ただ生理をお決まりの生理用品で過ごすだけじゃなくて、自分から進んでピルという選択をしました。

いろんな選択肢を知ることがすごく大事なんじゃないかなと思います。だから最近いろんなものがフェムテックで出てきてるのはすごくいいなと思います。


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