わたしの生理

生理の状況や感じ方は、人それぞれ。表に出てきづらいデリケートでプライベートなことだからこそ、ひとりひとりの生理の経験、心の声に耳を傾けることで、自分を大切にするきっかけに。生理を通して半生を綴るインタビュー。

Vol.004 - ゴールの見えない不妊治療。生理は心を削ぐ、リセット宣告だった




M.N 43歳 主婦・フリーランス
初経:10歳 現在の平均生理日数:4日 現在の平均生理周期:24〜35日
現在使っている生理用品 月経カップ、吸水ショーツ、生理用ナプキン


-生理はどんな日?

リセット


-生理と聞いて浮かぶイメージは?

落胆、絶望


-ここから、生理を軸にご自身の半生をふりかえっていきたいと思います。初経はいつですか?どんな風に覚えていますか?

初経は小4か小5、10歳頃だったと思います。授業の中で先生が、背が高い子は生理が早い事が多いと言っていて。当時クラスの女子で一番高かった私は「え、まだ来てない・・・」と焦り、それから毎日トイレに行くたびにチェックしていました(笑)。結局、チェックするのを忘れた半年後くらいに生理が来ました。生理がきて安心したのと同時に、気恥ずかしかったことを覚えています。

祖母も一緒に住んでいたので、言うまでもなくお赤飯が出てきました。好きでもないお赤飯でしたが、祖母が喜ぶならいいか、と冷静に考えていた記憶があります。
また、母が私の生理用品を用意してくれていたものの、母の経血量の感覚でしか生理用品が用意されておらず。(今思えば母は少ないタイプだったようで)1日2〜4枚という謎の計算で全く足りず。
ちょうど弟を妊娠していて、つわりで苦しんでいる&イライラもしていた母に「生理用品足りない」ということがなぜか憚られ、ナプキンの上にトイレットペーパーを重ねたり、就寝時はタオルを相撲のまわしのようにして凌いだり、ととにかく苦しかった記憶があります。

色々子どもながらに工夫するも大体漏れていたので、明け方洗面所で洗うことが常でした。
水だと経血が落ちるということを発見した時はちょっと嬉しかった記憶があります。


-その後、大人になってからはどうですか?

20代はタンポンとナプキンを併用していました。生理痛は普通にありました。当時の職業柄、クライアントとのお付き合いで飲食する機会も多く、よく生理痛の薬を服用しながら、飲食していました。(ダメ、ぜったい)
20代後半になると、レバーの塊のような経血が多くなり、ふと友人に話すとピルを勧められたので1年程ピルを服用していました。が、副作用が強く、結局タンポン&ナプキンに戻っていました。

あまり生理について深くも考えてこなかったのですが、30代半ばを過ぎて不妊治療を始めたことで生理が辛く、残酷で、苦しいものに変わっていきました。

不妊治療の細々は省きますが、タイミング〜AIH〜自然〜低刺激〜高刺激、全てやりました。
数々の検査、痛い治療、毎度2~3時間かかるクリニックの滞在時間、毎回出ていく高額費用。
ゴールの見えないマラソンを走り始めるも、生理が来ればまたスタート地点に逆戻り。
だんだん生理予定日が怖くなっていき、経血を眺めて涙したこともありました。


-それから今に至るまでにどうなっていきましたか?

そこから数回の流産を経て、今は息子と娘に恵まれました。昨年40代で娘を産んで、半年ほどで生理が戻ってきたのですが、いまだに経血を見ると「リセット」という感覚が少し残っているのが怖いです。

以前に比べると生理周期は短くなり、量も減ってきた反面、PMS(特にPMDD)の症状が強くなる変化がありました。なんとなくですが身体が更年期という次のステージに向かっているのだなと感じています。

また、友人が使っていることがきっかけで今年から月経カップを使い始めました。
5歳の息子とのお風呂や、外出時の大量の荷物や、ナプキンやタンポンの交換の煩わしさなど、今まで我慢していたことがちょっと解消されて、生理の憂鬱が少し軽くなりました。
あと、月経カップで毎回経血の量をチェックできるのですが、いつもより溜まっている経血を見るとちょっと嬉しくなっている自分がいます。


-生理をふりかえってどう思う?

学生のころは“たかが生理”って思っていたのですが、今の自分が思うことは”されど生理”だなと。
これから更年期というステージに向かう(であろう)私ができることは、我慢をせず、とにかく頼ること。(医療、薬、プロダクト、テクノロジー、周りの人にね)

あとは、今1歳の娘に初潮が来た時にお赤飯を炊かないことです。


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