わたしの生理

生理の状況や感じ方は、人それぞれ。表に出てきづらいデリケートでプライベートなことだからこそ、ひとりひとりの生理の経験、心の声に耳を傾けることで、自分を大切にするきっかけに。生理を通して半生を綴るインタビュー。

Vol.002 - 少し楽になったのは母の助言より自分の選択を優先できるようになったから




M.N 38歳 会社員
初経:10歳 現在の平均生理日数:6日 現在の平均生理周期:25~35日
現在使っている生理用品 月経カップ、吸水ショーツ、予定によってたまに紙ナプキン


- 生理はどんな日?

体調が思わしくない日。いろいろと気を遣わないといけない日。


- 生理と聞いて浮かぶイメージは?

血。


- ここから、生理を軸にご自身の半生をふりかえっていただきたいと思います。初経はいつですか?どんな風に覚えていますか?

小4の冬、10歳の頃でした。
時期ははっきり覚えているのに、その時どんな風だったか全く覚えていません。ちょうどその頃、わたしの将来の夢は産婦人科医もしくは助産師でした。赤ちゃんが大好きだったから。図書館に行っては人体や第二次性徴や生殖に関する本を読み漁っていて、知識だけは豊富だったので、おそらく落ち着いて初めての生理を迎えていたのかもしれません。

気まずいながらも母に伝えて、「おめでとう」と言われたような気がします。なんと答えて良いかわからないけれど、おめでとうと言われたら「ありがとう」と言わざるを得ないですよね。それから「お赤飯炊こうか?」と聞かれた気がします。母は自分の時はそうしてもらった、と。自分が生理になったことを家族に晒されるのはまっぴらごめんでしたが、「恥ずかしがっているんだ」と思われるのもいやで、「お赤飯は別にいらない。せっかくならケーキがいい。でもパパには言わないで。」と答えたのが忘れられません。誰の誕生日でもないのにみんなでケーキを食べました。いま考えると、めちゃくちゃシュールですよね。笑


- その後、大人になるまでは生理とどのように付き合っていましたか?

小学校高学年になると周りでも生理が始まる子が増えて、隠語で「今日は生理で大変だ」のような会話を女子たちでしていた記憶があります。中学高校時代の自分の生理の状態がどうだったか正直ほとんど覚えていなくて。お腹より腰が痛かったのと、とにかくお股が痛くて(恥骨痛)憂鬱だったな…というくらい。親友が生理痛や貧血がとにかく酷くて、電車の中で倒れて病院に運ばれたり、吐き気が止まらなかったり、起き上がれずに学校を休んだりと、本当に毎月大変そうでした。その印象が強くて、自分の生理なんてどうってことないとあまり記憶に残っていないのかもしれません。

そういえば、当時は気づいていなかったけれど生理前になると急にイライラすることが多かったですね。部屋で枕に顔を押し当てて大声で叫んだり、何かを殴りたい衝動を枕をパンチしまくって抑えたりしていました。きっとPMSですよね。大人になってからは、何かを攻撃したい衝動はなくなったけれど、逆に不安感というか「何者にもなれない自分へのモヤモヤ」「自分は何をしたいんだろう、このまま老いていくのかな」みたいなのをそのタイミングで強く感じます。何度も何度も繰り返すうちに、生理前に定期的にやってくる気持ちだとやっと気づいて、それからはあまり気にならなくなりました。

大学生になって初めてタンポンを使いました。小中学生の頃からよくティーン誌を読んでいて、タンポンの広告とか掲載されていたりしたので存在は知っていたし、スポーツの時とかお風呂の時とか便利だよというのを見て興味はありました。でも母が多方面において保守派で、生理用品も例に漏れず。「タンポンは結婚してからじゃないと使えない、若いうちは使えない」と擦り込まれてました。なんでですかね?笑
大学の友人とたまたま生理用品の話になり、その子がタンポンを使っていて。楽だよ、慣れたら簡単だよ、って。やってみるか!と思って自分で買って。当時YouTubeとかもないですからね、箱に入っていた説明書を見ながらトイレで試行錯誤。取れなくなって婦人科に行く自分を想像しながら練習しました。タンポンに慣れてからは、多い日はタンポンを使うようになりました。いまはタンポンの代わりに月経カップを使っています。


- 大人になってからはどうですか?

結婚してからは意味合いが変わってきましたね。それまではあまり意味を感じていなかったものが、妊娠と直結するので。あれ?そういえば生理が遅れている??とか、排卵は??とか、気にするようになりました。
わたしは周期がバラバラで、25日の時もあれば35日の時もあったり。先々のスケジュールまで把握できないんです。でも唯一わかることがあって。自分の身体の状態で、「今日か明日が排卵日!」ってわかるんです。そこから2週間後に生理がくる。だから、直近のスケジュールだけはわかります。笑

ある時生理がだいぶ遅れていて、もしかして?と検査薬を試そうと思っていた矢先にドバッと生理がきました。その後、本当に妊娠した時に病院でエコー検査をしたら、「最近の流産の跡がありますね」と。あーあれは生理じゃなくて、流産だったのか!という経験もあります。(以前にも経験があったので、さらっと受け止めていました。)流産て跡がわかるんですね。着床していた形跡みたいなものだと思いますが。ちなみに現在は、3人の娘がいます。

それから、大人になって変わったことがもう一つ。痛くて辛いと思ったら薬を飲むようになったこと。保守派の母(笑)から「病気じゃないから薬はなるべく飲まない方が良い」と言われて育ってきて、生理の時も鎮痛薬を飲んだことがありませんでした。
第一子の出産後にひどい乳腺炎で何度も高熱を出し、病院で「熱が出たら飲んでいいんだよ」「痛かったら我慢しないで飲んでいいんだよ」「多めに渡しておくからね」と解熱鎮痛剤を処方されました。産後実家に戻っていて、薬を飲もうとする私を見ては、母は「(授乳中なのに)薬飲んで平気なの?本当に大丈夫?飲まない方が良いんじゃない?」と言ってきました。産婦人科で処方されてるんです。飲んでいいに決まってる。産後で体がガタガタで、寝不足で、さらに40度を超える高熱に、パジャマが触れても叫びそうに痛い胸。薬を飲んだら、本当に楽になりました。「辛いときは薬を飲んでいい」とはじめて自分で気づいたと思います。そして、多めに渡された処方薬は私にとってお守りみたいな存在でした。いつまた乳腺炎になるかわからない恐怖が常にあったけれど、熱が出たらこれを飲めば良いんだって思うだけで、少し気持ちが落ち着きました。
2人目、3人目の産後は、退院の際に「私は高熱が出る可能性が高いので、解熱鎮痛剤を処方してください!」って自己申告してましたね。もはや、解熱鎮痛剤という名の、私にとっては精神安定剤でした。

出産を経てなのか、ここ最近の生理痛はお腹や腰ではなくて、頭痛になりました。特に2日目は一日中頭が痛いのですが、そういう時は迷わず薬を飲むように。いままでは「薬を飲まずに頑張る自分偉いぞ!」と思っていた節も少なからずありますが、その考えは消えました。我慢する必要なんてない、薬を飲んで楽になるなら(もちろん身体に悪い影響のない範囲で!)積極的に取り入れて自分の身体をコントロールできる自分でいたいなと思います。


-生理をふりかえってどう感じてますか?

現在進行形でまだこれからも続くわけですけど、やっと最近うまく付き合えるようになってきたかなーと思います。
どちらかというと、いまは自分の生理より娘たちの生理に戦々恐々というか、色々身構えちゃいますね。長女が初経を迎えた時には、自分の経験を踏まえておめでとうも言わず、もちろんお赤飯の話なんてしませんでした。ただ淡々と説明し、何食わぬ顔で接し…という感じで。それが正解なのかもわかりません。ただ、もっと手前でいろんな話をして、お互いに気軽に聞ける関係になれていたら良かったな…という気持ちはあるので、次に生かしたいなと思っています。


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