わたしの生理

生理の状況や感じ方は、人それぞれ。表に出てきづらいデリケートでプライベートなことだからこそ、ひとりひとりの生理の経験、心の声に耳を傾けることで、自分を大切にするきっかけに。生理を通して半生を綴るインタビュー。

Vol.006 - 生理のモヤモヤ、人にぶつけてしまうつらさ。申し訳なくて婦人科へ

A.S 22歳 新卒の会社員
初経:小4の初夏(9歳) 
現在の平均生理日数:7〜8日 
現在の平均生理周期:29〜31日
現在使っている生理用品 使い捨てナプキン、タンポン


- 生理はどんな日ですか?

良くも悪くも自分が女性だと認識する日


- 生理と聞いて浮かぶイメージは?

遠方の友達。遠方の友達が定期的にやってくるイメージ


- ここから、生理を軸にご自身の半生をふりかえっていきたいと思います。初経はいつですか?どんな風に覚えていますか?

小学4年生の初夏です。少し恥ずかしい話なのですが、小学生の頃トイレがすごく苦手でした。若いときは陰毛が生えてないから尿が散乱するじゃないですか。だから毎回トイレに行く前にはズボンを完全に脱いで、外に置いてからでないと、おしっこができなかったんです。
それがいやで、小学校ではトイレに行かないようにしていました。

初潮のときも、学校ではトイレに行かずに帰宅してからトイレに行くと、茶色っぽくもう血が固まった状態になっていました。それが3日ほど続いてたものの、生理だとわからず普通に洗濯に出していました。そうしたら親が洗濯のときに気づき、「生理になったんじゃない?」と言われて、そこで初めて「生理ってなんですか?」となりました。
まだ学年的に、生理の勉強を学校でしていないときだったので「生理ってなんですか?なにをするんですか?」といった感じでした。
よく分からないまま過ごしていると、母が一通り必要なものを用意してくれました。ナプキンや生理用のショーツ、そして私は体の成長も早く胸も大きくなっていたのでブラジャーも含めてですね。

よく赤飯の話になりますが、うちではイベントみたいにされなくて「これが必要だよ」とナプキンなどの実質的に必要なものが用意されて、それをただ享受する感じでした。
なので、生理という概念を認識するのに時間がかかった気がします。でも自然に慣れていったので、生理がいやだとか感じる間もなく、用意されたものを使って、自然と受け入れていった流れです。
今も当時と同じナプキンを使っていますし、逆に言うと自分にすごく合ったものを親がたまたま用意してくれたんだと思います。

小学校、中学校ともに、ナプキンを学校に持っていくことを恥ずかしいことだとも思わなかったです。ナプキンを入れるポーチを用意して、そこに入れてナプキンを持ち運ぶのが普通だと思うんですけど、そのことも知らなかったので、親が「これにナプキンを入れて持ってけばいいから」と折りたたみのハンカチを買ってくれて、生理中はそれを使って携帯していました。生理用品を持ち歩くことも、本当に難なく受け入れていましたね。


-中学や高校で部活はやっていましたか?生理をどう過ごしていましたか?

中学校でバスケットボール、高校で軽音楽をやっていました。
バスケは、蒸し風呂みたいな狭い体育館の中でやるので滝のように全身から汗が出るのですが、この頃から生理の不快感を感じるようになりました。とはいえ毎回ナプキンを取り変えるのが面倒くさいから、昼夜問わず夜用の30センチナプキンをつけていました。小さいサイズだと漏れてしまうのでそうしてたのですが、いかんせん夏の部活のときは、びしょ濡れレベルで、尾てい骨まで濡れてかゆくなってたりしていました。あとは生理を口実に「トイレに行ってきます」と言って、ちょこちょこ部活を抜けてさぼったりしていました。

私は心配性なのか、生理期間のほとんどを夜用ナプキンで過ごしていました。
さらに、経血だけでなくおりものも量が多く、おりものシートだと、シートがボロボロになったり、おりものがあふれることもあって、21センチナプキンを生理期間以外も毎日つけていました。365日24時間年中無休で使い捨てナプキンと過ごす状態で、今考えたら親に経済的負担をかけていたと思います。
おりものがすごく多いことを誰かに相談したり、婦人科に行ってみるみたいなことは特にしませんでした。高校生までは「別にそんなもんでしょ」という感じで違和感も持たなかったし、親も別に触れてこなかったし私も別に話すことはないからいいかなという感じでしたね。


-大学生から社会人一年目の今に至るまで、何か変化はありましたか?

大学1年生のときはずっとコロナで家にいたので、特になにもなかったです。大学2年生のときに好きな人に出会い、恋人関係ではなかったのですが、結果的に2年生の夏から3年生まで関係があって、妊娠しました。生理が来ないことには気づいていたけど、妊娠していることに気づくまでに3ヶ月位かかったんです。
気づいた経緯は、仲良しグループの友達にポロッと話したとき。「絶対検査した方がいい、自分が安心するためにもやってみたら」と言ってもらい、それから1人で薬局に行き、検査をしてわかったという流れです。
生理が止まっても妊娠を疑わなかったのは、生理はストレスで止まるものと思っていたからで、当時相手とのことでストレスを感じていたし、漠然と私が妊娠するわけないだろうと思っていました。妊娠の可能性を認めたくなかったのかもしれません。
友達に言ってもらわなかったらもっと気づくのが遅れていたので、運が良かったと思います。
あのときは身体以上に心が辛かったです。相手ともいろいろ話しましたが、結果的には手術して、お腹の子どもと相手、どちらともさよならしました。
そのときに婦人科でピルを勧められて服用するようになったのですが、3ヶ月続けたものの、自費で続けるのは大変で、婦人科に行かなくなりました。

でもその後、また別の人とお付き合いを始めて、その人とは1年半付き合って先月別れたんですけど、1回も性交渉をしなかったんです。もちろんふれあいとかありますけど最後まではしないで中絶してからずっと何もなく過ごしていました。

去年の冬、大学4年生の終わり頃に「PMSがひどくなってきたかも」と感じて、久しぶりに婦人科に行ったんです。でも頭痛のある人にはピルは処方できませんと言われ、ピルより高値のサプリを提案されて、それは無理だからPMSと付き合うことにしようと思って、また婦人科には行かなくなりました。
PMSがひどくなったきっかけは、中絶じゃないかと思っています。精神的なことなのか肉体的なことなのかわからないですが、突き抜けてネガティブになる症状が出るようになりました。PMSの時期に彼氏と会うと、自分本位なネガティブになってしまって、あることないこと妄想してはどうしよう...と、不安神経症のようでした。でも生理が始まる前日あたりにはケロッとして、数日前のネガティブだった自分を反省するという状況でした。
それでも薬を飲んで直すほどのものではなく、自分自身が意識すれば回避できる程度だと思っていました。
そういった経緯があるから、一ヶ月前に元カレにふられたのかもしれないのですが、だからといって早めに薬を飲んだからといって解消されたわけではないと思っています。それに新社会人になって忙しくなり、今はPMSのことを考えられないくらい、仕事しなきゃ勉強しなきゃという状態になったので、ひとまずPMSは置いとこうという感じです。

そもそもPMSで婦人科に行ったのは、自分がつらいからというより、周りの人に申し訳ないと思ったからです。自分のネガティブさを明確に相手に向けてしまったことがあって「これはちょっとまずいな」と思って、自分のつらさを解消するというよりは、対人関係を保つための対応でした。
でもピルは処方されずサプリを勧められたので、じゃあ自分で意識すれば回避できるんじゃないかと思って、意識して行動することにしました。元々生理周期を記録してたので、周期をみながらPMSの時期が来るということを把握し、その時期が来たら、「今、私は悪いときだ」と理解して、待ち構える状態で居るようにしています。「普段だったらこう言うけど、今の私だとこういう言葉になるから危ない、言わないようにしよう」というふうにできるようになりました。それでも表情に出てしまうときがあるので、最近は職場の上司にも「どうした?」って聞かれたりしたら「生理前だから」と伝えるようにしています。
隠すべきことでもないですし、周りも生理前だと言えば「ああ」って終わってくれます。
あとはあまり深く考えないようにしています。意識していても態度に出ることがあるので、出てしまったらそれは事後に反省して、また翌月に思い出すようにしています。

自分と比べたら、生理痛が酷いとか量が多いとか、もっと目に見えて辛い人の方が大変だろうなと思います。精神的な部分は、本当にPMSで悪いのか、単純にネガティブで考えてるのかわからないなと思っているし、寝れば忘れることが多いので。別にサプリなどにお金をかけずに、好きなアイドルを見て元気を出すなど、自分で解決できるよう対処しています。


-生理をふりかえってどう思いますか?

私は他者と自分の生理のつらさを比較していると思います。それは周りの人の方が自分よりつらいだろうという意味です。他の人の方がつらいのに、自分がつらいと言ったらいやなやつになると思ってしまうところがあるんです。
高校生のときに、動けない、起きれない、学校行けない、学校に行っても泣きながら帰る状態になる友達を間近で見ていたので、痛くない、つらくない、普通みたいな自分の状態での生理は、ただのやり過ごす作業という感じでした。でも他の子のつらさはわかってあげたいから、そういう子がいることを認識をして、相手のつらさには共感するけど、自分のことは言わないようにして、生理自体をつらいものとしては認識してない気がします。

どちらかというと、元々の自分のコンディション、それこそ中絶、失恋などの影響によって体調が左右されてるんだと思うようになってきたので、生理については、4週間のうちの生理の1週間以外を楽しく過ごしておいて、生理の1週間は何事もないように過ごした方が楽だなと思っています。

生理は、船で来る遠方の友達か、近い存在だけど毎日連絡取るわけではない「いとこ」という感じです。

コメントする

コメントは表示される前に承認される必要があります。

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleプライバシーポリシーおよび利用規約が適用されます。


murmoの月経カップ

商品情報はこちら
Click